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加工食品菓子亀田製菓「こつぶっこ」勢い加速 2品体制で認知拡大と配荷拡大に注力 チョコレートからの流入が追い風に

亀田製菓「こつぶっこ」勢い加速 2品体制で認知拡大と配荷拡大に注力 チョコレートからの流入が追い風に

 亀田製菓は、第2フレーバーの投入で勢いづく揚米菓のロングセラーブランド「こつぶっこ」の勢いを加速させる。

 「こつぶっこ」の売上高は23年に22年比16%増、24年に23年比50%増と拡大した。

 今期方針について、6月6日、取材に応じた歴舎(れきしゃ)直輝国内米菓マーケティング部米菓スナック第2グループマネージャーは、「基本的にレギュラー品と第2フレーバーを徹底的に訴求していく。認知がまだ低く、『亀田の柿の種』や『ハッピーターン』が80%ほどであるのに対し、『こつぶっこ』はまだ45%前後(2024年4月実施の亀田製菓調べ n=21500)。ご存知でないお客様が多く、流通さまと連携しながら2品でお客様の認知を獲得していくことに注力していく」と意欲をのぞかせる。

歴舎(れきしゃ)直輝国内米菓マーケティング部米菓スナック第2グループマネージャー
歴舎(れきしゃ)直輝国内米菓マーケティング部米菓スナック第2グループマネージャー

 配荷拡大の余地も十分にあるという。

 「1982年に誕生して今年で発売43年目を迎えても、導入率が成長途中にある。レギュラー品の導入率は23年1月時点で40%だったのが現在55%、第2フレーバーも当初10%だったのが現在25%とそれぞれ高まり、まだまだ伸ばしていけると考えている」と力を込める。

 主要購入者層は、レギュラー品が小学生以下の子どもを持つ30・40代夫婦のファミリー世帯、第2フレーバーが40・50代夫婦のファミリー世帯となっている。

 2品とも個包装4袋入となっており、レギュラー品については、配り菓子として4袋のうち1袋を親が食べるといった具合に親子で喫食される傾向にあり、子どもの成長に伴い大人の喫食用として第2フレーバーにシフトしていくとみている。

「こつぶっこ」の個包装
「こつぶっこ」の個包装

 「レギュラー品のリニューアル後、購入層自体は変わってないが、これまで子どもの食べ物と思われて買われていなかった方たちが新たに購入していただいて売上げが拡大したのだと思う」との見方を示す。

 トライアルを獲得して伸ばしていく一方で、2品体制によりリピートも維持。「レギュラー品と第2フレーバーを買いまわっている可能性がある」と語る。

 現在の第2フレーバーは「こつぶっこ ハニーバター風味」。3月24日から9月末までの期間限定で発売している。

 「ハニーバター風味」はレギュラー品とは異なり、蜜で味付けをした後にざらめ掛けをするシュガーコーティング製法で甘さを引き立てている。

 「大人に能動的に『こつぶっこ』を手に取ってもらいたいと考えて、コーヒーに合わせやすい商品として『黒糖シナモン味』『ビターキャラメル風味』に次いで『ハニーバター風味』を発売したところ、規模感としては『黒糖シナモン味』よりも『ビターキャラメル風味』が大きく、その『ビターキャラメル風味』を『ハニーバター風味』が上回って推移している」との手応えを得る。

「こつぶっこ ハニーバター風味」と個包装
「こつぶっこ ハニーバター風味」と個包装

 「こつぶっこ」全体の動向として昨年から顕著に見られるのがチョコレート商品からの流入。
 「カカオショックによりホームサイズのチョコレート商品の価格改定幅が大きいことから、昨年はチョコレートからの流入が増加した」と振り返る。

 「こつぶっこ」は個包装かつ、一粒が食べやすいサイズであるという特徴から、年代・シーンを問わず楽しめるブランドであることから、ファミリーでお楽しみいただけるお菓子としての認知も高めていきたい考えだ。

 東京おかしランド(東京都千代田区)に出店するカメダセイカでは、新規顧客獲得を目的としたプレミアム商品「こつぶっこRich」を販売。

 同商品は、「こつぶっこ」にさらにアレンジを加えたW味付け製法で濃密でコク深い味わいに仕上げたもの。
 「カメダセイカの来店客の約8割が40代以下であり、40代以下のお客様に向けた商品を展開していきたいということで発売開始した」と述べる。

「こつぶっこRich 天空の抹茶」
「こつぶっこRich 天空の抹茶」

 現在発売している「こつぶっこRich 天空の抹茶」については「試作品を試食したところ、物凄くおいしかったことから、従来のRich商品を上回る高付加価値商品に仕立てた。生地が見えないほどたっぷりと上品な苦味が特徴の『天空の抹茶』をまとわせている」という。

 カメダセイカでしか購入できない特別な商品のため、国内外のお客様のお土産需要の獲得も狙う。

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