ニチレイフーズは、家庭用冷凍食品でパーソナルユースのラインアップを大幅に拡充する。同社は「市場は『ワンプレート』『麺類』『個食米飯』を中心に好調で、今後も拡大する」と予測し、独自技術でおいしさとトレイ入りの簡便性を両立させた「とろ~り卵のハンバーグオムライス」「三ツ星プレート 回鍋肉&麻婆麺」「香ばし炒めの濃厚味噌ラーメン」などを25年秋に向けて順次発売する。
7月11日に秋季新商品発表会を開催。松尾哲哉取締役専務執行役員は「家庭用冷凍食品の市場は10年連続で過去最高を更新し、生活必需品としてさらなる成長が見込まれる。今秋はパーソナルユース、食卓を彩るおかず、健康コンセプトの開発に注力した。業務用冷凍食品は外食・総菜とも好調に推移しているが、各業態の人手不足はますます深刻化。加工度に幅を持たせたラインアップでニーズに応えていく」と話した。

家庭用は、総需要が拡大する中でも特に個食(=パーソナルユース)が伸びていることから新商品を積極的に投入する。
トレイ入りの「とろ~り卵のハンバーグオムライス」と「日比谷松本楼監修 ビーフシチュードリア」はレンジ調理で本格的なおいしさの人気メニューを味わえる。中華の「新橋亭監修 直火で仕上げた天津飯(甘酢あん)」と「直火で仕上げた天津飯(醤油あん)」も発売。
清川吾朗執行役員家庭用事業部長は「現状の冷凍米飯は袋入りが主流だが、今後は1食完結型の個食米飯が大きく伸びる」との見通しを示した。
ワンプレートの「三ツ星プレート」は、市場で手薄な中華メニューのシリーズを立ち上げる。パッケージには新ロゴを採用し、「回鍋肉&麻婆麺」と「鶏と肉団子の黒酢あん&ジャージャー麺」の2メニューを展開する。
好調な冷凍麺の中でも容器入りは同社が「香ばし麺の五目あんかけ焼そば」「本当に旨い担々麺」などのヒット商品で牽引する。今秋は水を入れてレンジ調理する2品を追加。「香ばし炒めの濃厚味噌ラーメン」はすみれ系の濃厚スープに自家製太ちぢれ麺をあわせた。「和風だし香るカレーうどん」は従来品の製法をリニューアルし、おいしさと簡便性を高めた。
なおパーソナルユース商品の生産体制は、個食麺は山形工場、ワンプレートは山形工場(麺関連)と白石工場(米飯関連)、個食米飯(オムライス・天津飯など)は関西第二工場、ドリア類は白石工場の各ラインで製造する。

業務用の開発方針は滝英明執行役員業務用事業部長が説明。各業態で最大の課題となっている人手不足の解決に貢献するため、新たなキーワードに「加工度のグラデーション」を掲げ、素材・半加工品・油調・即食など幅を持たせたラインアップを追求。おいしさ・簡便性・健康感にもこだわり、「手作りからの冷凍化を推進していく」と述べた。
「お店で炒めるベースチャーハン」は、卵を加えて炒めるだけで、誰でも簡単に米粒がパラっとした本格炒飯を調理できる。下準備の簡素化や調理時の品位安定がポイントで、外食・総菜など幅広い業態でニーズを見込む。
販売好調な「素材そのまま」シリーズは第3弾「スーパースイートコーン」と「ほうれん草」を追加。過熱蒸気製法により素材本来のおいしさ・甘さが感じられる。
さらなるおいしさを追求する一環で「究極の唐揚げ(むね)」をブラッシュアップ。新製法で内部の肉汁を保持し圧倒的なジューシー感を実現した。