「ペプシ」の登場でサントリー原液シリーズが一躍脚光 おいしさ超えてワクワク感やFUNを創出 濃縮飲料の新潮流

 サントリー食品インターナショナルの“割るだけ原液タイプ”を謳った濃縮飲料「おうちドリンクバー」シリーズが、2月に発売開始した「おうちドリンクバー ペプシコーラ」(以下、ペプシコーラ)によって一躍脚光を浴びている。

 身近なブランドの飲料を自分好みにアレンジできるという点で、味わいやおいしさを超えてワクワク感やFUN(楽しさ)を創出し、濃縮飲料の新潮流となる可能性がある。

 2024年4月の同シリーズ誕生以来みられるこうした動きが「ペプシコーラ」によって活発化し好調に推移している。

 7月16日、取材に応じたSBFジャパンブランドマーケティング本部の宮内優洋さんは「『ペプシコーラ』が話題化に成功した。『ペプシコーラ』目当てに売場を訪れた生活者が初めて『おうちドリンクバー』の『POPメロンソーダ』『C.C.レモン』『デカビタC』の存在を知るといった具合に認知拡大に一役買っている」と語る。

左から「おうちドリンクバー」の「POPメロンソーダ」「C.C.レモン」「デカビタC」
左から「おうちドリンクバー」の「POPメロンソーダ」「C.C.レモン」「デカビタC」

 好みのブランドの炭酸飲料を自分好みにアレンジする楽しさが同シリーズの好調要因。
 「ペプシコーラ」を発売し“ペプシの原液タイプ”を訴求したことで、この楽しさに広がりがもたらされているという。

 「原液という言葉をあえて使ってみたところ、炭酸飲料が好きな人からすると、馴染みの炭酸飲料を自分でつくれるといったワクワク感や好奇心が刺激されるのだと思う。特にコーラカテゴリのレシピはベールに包まれる印象が強く、好奇心を一層かりたてられるのだと思う」と説明する。

 「ペプシコーラ」よって男性を中心とした新規ユーザーを獲得し顧客層が拡大。
 炭酸水や炭酸飲料と割ることに主軸に置いた濃縮飲料ならではの動きとして、パーティーシーンやハレの日需要を獲得している。

 「楽しいシーンとの親和性が物凄く強い。濃縮飲料カテゴリに、この楽しいシーンを新たに付与していくのが『おうちドリンクバー』の役目。通常の飲料はSNSなどで“おいしかった”と言った味わいに関する感想が発話されることが一般的だが、“楽しい”とか“面白い”といったお声がとても多く寄せられることが特徴だ。おもちゃではないのだが、新しい体験価値を届けるシリーズとして磨きをかけていきたい」と意欲をのぞかせる。

 「おうちドリンクバー」の相棒として、同社の炭酸水「サントリー天然水SPARKLING」との相乗効果を図るため、専用什器を設けて炭酸水売場などでもアピールしている。

新商品「おうちドリンクバー ペプシゼロ」(左から3品目)とSBFジャパンブランドマーケティング本部の宮内優洋さん
新商品「おうちドリンクバー ペプシゼロ」(左から3品目)とSBFジャパンブランドマーケティング本部の宮内優洋さん

 炭酸飲料の間口(飲用層)拡大が見込める夏場には、「おうちドリンクバー」の勢いを加速させるべく、新ラインアップとして7月29日に「おうちドリンクバー ペプシゼロ」を期間限定発売する。

 アレンジレシピなど汎用性の訴求も強化していく。

 「アイスにかけたり、サラダの調味料などに使えたりすることをアピールしていく。濃い『ペプシ』や『ペプシ』ブランドの商品に『ペプシコーラ』を入れる“追いペプシ”といった生活者から生まれた飲み方も伝えていく」と述べる。