日東ベストの嵯峨秀夫社長は「グループ内で日配食品(コンビニ向けの弁当・おにぎり等)を長く担当して培ったユーザー視点を生かし、主力の業務用冷凍食品事業を強化していきたい。商品やサービスを改善していけばまだまだ伸ばせる余地はある」と意気込む。
6月25日付でトップに就任して以降、このほど初となる記者懇談会に臨んだ。塚田莊一郎会長は「国内の日配事業と海外のベトナム事業(JAPAN BEST FOODS社)を黒字化した手腕を本社でも発揮してほしい」と期待を寄せた。
嵯峨社長は01年から20年以上にわたり日配食品に携わってきた。同事業を手掛ける爽健亭では16年に代表取締役に就き、近年は海外事業本部長としてベトナム・JBF社の代表も務めた。
自身の経歴を「当社グループの中では業務用冷食の製造販売にほとんどかかわってこなかったが、コンビニ向け製品などを通じてユーザーだった」と説明。
業務用冷食事業について「メーカーは使う側の視点が欠けていることが多い。例えば『包装が大きすぎる』『入り数が多すぎる』『袋が開けにくい』『ロスが出やすい』など。こうした課題は福祉施設や病院などのユーザーも同様だ」とし、「爽健亭やJBF社では手間のかかる仕事も取引先から積極的に引き受け、ロングセラーに育つことがあった。場合によっては設備投資や労務費なども課題になってくるが、ユーザーの要望に応えられるよう一つずつクリアしていきたい」とコメント。
今後に向けては「当社の強みは十分な生産能力と工場に直結した山形の開発部門だ。ただしそれらは必ずしもお客様(業務用ユーザー)に伝わり切っていない。大きく言えば社内の壁を取り払って風通しを良くし、より良い商品がお客様までスムーズに届くようにしていきたい」と述べた。
