森永乳業は、バーアイス「PARM(以下、パルム)」の発売20周年を機に、体験型展覧会「大パルム展」を7月3日~7日、東京・原宿で開催した。ファンの“偏愛”をテーマに、ブランドへの没入体験を提供し、ブランド価値の向上を図った。
目玉施策として、好みのトッピングで“できたてパルム”が作れる体験型コンテンツを展開。コーンフレークやカラースプレーなどを自由に組み合わせ、自分だけのパルムを楽しめると話題を呼んだ。
マーケティング本部事業マーケティング部冷菓事業部の今村友香氏は「“アイスを買いに来る”から“パルムを買いに来る”へ、ブランドを引き上げたい」と戦略を明かす。これまでもパルムのチョコがけ体験企画など実施してきたが、ここまで大規模な展開は初。「パルム」ファンの“偏愛”に着目し、指名買いにつながる接点を強化する考えだ。
「パルム」は近年好調に推移しており、なかでも箱入りの「チョコレート&チョコレート ~厳選カカオ仕立て~」は、年間売上が初の100万箱を突破するなど、“赤箱”に続く定番品として定着しつつある。スーパーでの配荷も進み、数量ベースでも2ケタ伸長を記録。今村氏は「価格と満足感のバランスが支持されている」と分析する。
季節型商品も好評だ。6月に発売した「パルム ジェラート ショコラ&深紅のベリー」はファン層から熱烈な声が届いているとし、研究本部食品開発研究所冷菓研究室の中込篤志副主任研究員は「チョコは水で薄めるとおいしくない。氷菓でここまでチョコの味わいを出すのは苦労したが、“おいしいチョコレートアイス”を実現できた」と胸を張る。
「パルム」は他のアイスに比べて秋冬も強い商材だが、最大の需要期は梅雨明け以降の夏場。今村氏は「今後も“偏愛”を軸に、ファンとのコミュニケーションを深めたい」と意欲をみせる。
