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三島食品 広島工場(上) 「ゆかり」の品質向上へ 赤しそを自社で栽培・改良「紫の里」

缶詰記者会(本紙加盟12社)はこのほど、三島食品・広島工場を訪問した。主力製品「ゆかり」の赤しそ原料を栽培する北広島町の自社農園事業「紫の里」、ふりかけ資料館「楠苑」およびドライ製品を生産する広島工場を見学。味と品質にこだわり、基本方針の「良い商品を良い売り方で」を徹底する同社の取り組みを紹介する。

◇  ◇

広島市内から車で約1時間。自然豊かな北広島町にある、三島食品の自社農園「紫の里」では、赤しそ栽培の最盛期を迎えている。

「紫の里」の開園は2007年。「ゆかり」の原料となる赤しそをはじめ「ひろし」の広島菜や「しげき」等の原料となる壬生菜や葉大根を栽培。良質な原材料の供給基地だけでなく、研究開発拠点としての役割を担う。土壌や品種の改良、水耕栽培への挑戦、契約産地との栽培加工技術交流を強化し、良質な素材づくりと品質向上を目指している。

かけた瞬間に広がる、爽やかな香りが魅力の「ゆかり」だが、赤しそは在来種が多く、自然交配しやすいため、良質な原料確保と品質安定化が長年の課題だった。

三島食品では1988年に当時の三島豊社長(現会長)のもと、赤しその新品種育成に着手。香りや色、収穫量など求める品質を備えた優良な株を選び、20年にわたる研究を重ね、登録商標の「豊香」を開発。契約農家と協力して、原料の安定化と品質向上につなげてきた。

現在もその取り組みは続けており、トレーサビリティーを確保した良質な赤しそ原料の安定調達を推進。「紫の里」の田中俊弘マネージャーは「品種育成により、原料のブレがなくなり、品質・歩留まりとも格段に良くなった」と語る。

2020年からは国内では例がない、赤しその水耕栽培にもチャレンジ。赤しそは6~9月が収穫期だが、水耕栽培は年間を通して収穫が可能。「気候変動の影響が年々深刻化する中、安定供給確保の意義は大きい」という。今後は赤しそに続き、広島菜の水耕栽培も検討する。

赤しそは香りと色が良い株上部の新葉のみを収穫し、隣接する加工場に運ばれる。加工場では選別・洗浄、塩もみ後、梅酢を入れて塩蔵加工され、広島工場で「ゆかり」に仕上げる。

「ゆかり」の原料に使用される赤しそは年間約3000t。広島県のほか、静岡・宮崎・三重、徳島・愛媛など国内8県、中国2か所で契約栽培・一次加工している。

「紫の里」のそばには、創業者・三島哲夫氏の生家跡に建てられた、ふりかけ資料館「楠苑」が構える。三島食品の歩みや貴重な資料のほか、全国ふりかけ協会の歴史と加盟社の商品を紹介するコーナーもある。かつて休耕田だった場所は鮮やかな赤しそ畑が広がり北広島町の振興にも貢献している。(つづく)

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