明治ホールディングスは、6月27日就任予定の松田克也次期社長CEO(現・取締役執行役員COO)による新体制をスタートし食と医薬の連携強化などに取り組む。
4月8日、会見に臨んだ明治HDの松田次期社長は「食と医薬それぞれ部分最適で行っているグループ経営についても、より俯瞰的に見て“何ができるのか”“何がやれるのか”を食品の明治と医薬品のMeiji Seikaファルマとこれまで以上に連携して経営を進めていく」と意欲をのぞかせる。
連携強化のアウトプットとしては、商品にとどまらずサービス・システムの構築を視野に入れる。
「食と医薬の連携については、統合以来、しっかりと連携してきた。その結果はまだモノとしては出ていない。商品がすべてではなく、医薬の領域の中に食品、あるいは食品に類するものがサービスとして入っていけるようなシチュエーションやシステムを作るということも含めて事業を確立していきたい」との考えを明らかにする。
社員の意識改革を促し独自価値も追求する。「現在、業績は踊り場にあり、その点についてもしっかり対応していく。そのポイントは、社会や環境の変化に対する適応力を身につけ目標や夢を実現することが重要で、今の明治グループに欠けていること。明治が新しい社会を創造していくくらいの意気込みを持って臨み、そのために社員の意識改革を先導していく」と力を込める。
6月26日には明治とMeiji Seikaファルマのトップ交代も予定する。
明治の八尾文二郎次期社長(現・取締役副社長)は「足元はインフレだが、長期的にはデフレがかなり影響してくる」との見方のもと、独自価値とコスト競争力に磨きをかけていく方針を示す。
収益改善を課題とする牛乳については「コスト競争力が今後も避けて通れないが、単純なコストダウンではなく、サプライチェーン全体で効率化を図るようなコスト競争力の強化が課題」とみている。
菓子では、グミの巻き返しにも触れる。「かつてNo.1の座にあったが、今はかなりやられている。グミに関しては巻き返しを図るということで社内に発破をかけている。ただし、同じことをやっても価格競争になるだけで、グミに限らず“さすが明治さん”と言われるような独自価値の高い商品をどんどん投入して対応していきたい」と説明する。
医療が牽引役となっている海外事業についても意欲を示す。「明治グループのグローバル化は明治(食品)のほうが遅れをとっているため、積極的に推進していきたい」と語る。
医療の今後の課題について、Meiji Seikaファルマの永里敏秋次期社長(現・取締役)は、ワクチンリテラシーの浸透やワクチン接種の啓発を挙げる。加えて「アジアを中心とする、小児ワクチンにアクセスできない国に市場展開していくことも重要」と述べる。
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