日本惣菜協会が代表幹事を務める経済産業省「革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」の令和6年度事業報告会がこのほど開催された。今年度は新たに5種のロボットシステムを開発。これまで開発したロボットシステムを合わせて、17種のロボットシステムを統合し、様々な惣菜・弁当盛付に対応できる統合ロボットシステムの開発・実運用を推進している。
統合ロボットシステムは、惣菜・弁当の盛付工程すべてをロボット化できる。今年度は「惣菜盛付全工程自動化統合ロボットシステム」のエンハンスに加え、新規では麺惣菜盛付工程、寿司弁当盛付工程、フライ投入兼弁当盛付工程などの統合ロボットシステムや惣菜工場対応の自律型搬送ロボット(AMR)を開発。プロジェクトに参画する惣菜・弁当関連企業の工場で実運用された。
報告会によれば、全製造業の中で労働者が最も多いのが食品製造業で、近年社会課題となっている人手不足の影響が大きい。また、全食品製造業の労働者約120万人のうち約60万人が惣菜業界に従事。その半分の約30万人は盛付作業にあたるとしており、全工程ロボット化による恩恵が最も期待される業界といえる。

一方、ロボットシステム導入にあたっては、設置コストや多種多様な具材への対応、導入後トラブル、衛生・品質管理面など障害も大きい。
同協会AI・ロボット推進イノベーション担当フェロー・荻野武氏は今後の方針について「装置原価500万円以下、対応具材100種以上を実現するほか、今年度は保全プラットフォームガイドラインを構築。低価格ですぐかけつける保守網構築を図る。HACCPや食品衛生法にも対応し、業界への横展開で全工程ロボット化を実現したい」としている。
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