栃漬協第61回通常総会 秋本薫理事長が腸活セミナー

栃木県漬物工業協同組合第61回通常総会が11日、宇都宮市内で開かれ、令和7年度事業計画案、収支予算案、新理事の選任、定款改正の各決議事項が原案通り承認された。

冒頭あいさつで秋本薫理事長(アキモ社長)は、「飛躍的な売上増が見込めない今、利益率とコストダウンに目を向けなければならない。利益率の向上には健康性のアピールが必要と考える。これまでも栃漬協では、事業環境の変化に合わせて衛生講習会やDX勉強会などを実施してきたが、皆が漬物を作り続けられるよう引き続きさまざまな支援していきたい」などと述べた。続いて役員改選が行われ、秋本理事長が退任し副理事長に、遠藤栄一副理事長(遠藤食品社長)が新理事長に選任された。

定款改正では、経営環境の変化で縮小傾向にある同組合において、執行部の合理化を目的に、専務理事は当面選出せず関係する記述を削除。また、デジタル化推進の観点から、総会・理事会をバーチャルオンリーの対応をすべく、場所を定めない総会を導入する規定に変更した。

秋本理事長が腸活セミナーを行った
秋本理事長が腸活セミナーを行った

また、健康訴求へのサポートとして、秋本理事長が講師となり「腸活」をテーマにした講演を行った。同理事長は、心身の健康維持における腸活の重要性について、「腸は免疫細胞の70%を集め、体の防衛システムとして重要な役割を果たしている。善玉菌(ビフィズス菌、乳酸菌など)は腸内で短鎖脂肪酸を生成し、腸内環境を改善する。これにより、便秘や下痢の予防、肥満や糖尿病の予防、美肌効果、免疫力向上、メンタルの安定に寄与している。善玉菌を増やすためには、水溶性食物繊維を摂取し、腸内環境を改善することが重要だ」と説いた。次に漬物が腸にもたらす効果として、「日本古来の発酵食である漬物には、善玉菌を増やすのに欠かせない植物性乳酸菌と、野菜由来の水溶性食物繊維が豊富に含まれている。善玉菌の中でも最も重要な役割を果たす酪酸菌は多くの発酵食品の中でも唯一糠漬けの中にのみに含まれている。腸内環境のためには幼少期から漬物の喫食習慣をつけることが大切だ」と述べ、「食品における健康軸は今後求められていく。漬物は縮小している場合ではなく、これからブレイクしていかなければならない。皆さん一緒に頑張ろう」と力強く呼びかけた。

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