サイキンソーは2月21日、大阪市都島区で大阪府泉大津市との官民連携の健康共創プロジェクトに関する報告会を開催し、オンライン含め40人が参加した。
サイキンソーは国内最大規模の累計17万検体を超える腸内フローラデータを蓄積する企業。「Mykinso(マイキンソー)」をはじめとした腸内フローラ検査サービスを展開している。同社は昨年、泉大津市が行う「令和6年度泉大津市健康力向上プロジェクト事業補助金」に採択。「女性の健康課題改善に向けた取り組み」をテーマに、官民連携で健康づくりの取り組みを進めている。
当日はサイキンソーの沢井悠CEOと泉大津市の南出賢一市長が登壇。それぞれの立場から健康課題に対する考え方やプロジェクトの進捗状況などを報告した。
南出氏は、泉大津市が大阪府でも屈指の未病予防対策先進都市であると紹介。同市では、健康政策の一環として有機や国産食材を使った給食を提供するといった取り組みを進めている。「ときめき給食」では、医食同源を理念に給食精製塩不使用、国内麦や金芽米の採用といった発酵食品や各地の郷土料理をメニュー化している。南出氏は「未病を予防する取り組みは、本年で3年目を迎えるがアンケートによると参加者の半数が、体調が良くなったと答えている。運動習慣が定着した人も25%増え、歩行が改善した人は52%増えた。当市の健康寿命は右肩上がりの状況」と現状を述べた。
沢井氏は、同市の女性を対象に4回実施した検査の概要を解説。腸内フローラ、女性ホルモンの検査や体組成測定を実施し、3人に1人が腸内フローラが改善、3人に2人が更年期指数が改善したという。メンタルヘルスと腸内環境についても強い関連が示唆された。
沢井氏と南出氏の対談では、沢井氏が「当社の0次予防に対する考え方と泉大津市の取り組みとは親和性が高い」と評価。南出氏が「サイキンソーは独自のソリューションを持っており、当市と同じ方を向いていた」と連携に至った決め手を紹介した。
今後の課題について南出氏は「ものすごいノウハウがあっても陽の当たらない個人や企業がある。当市に資金はないが、フィールドは十分にある。ぜひ参加してほしい」と賛同者に向けプロジェクトへの協力を呼びかけた。一方、沢井氏は「細菌叢検査の認知度向上を図りたい。自治体の取り組みに参画したことは広報的なメリットもある。ここまで内容の濃いプロジェクトは初めて」と喜んだ。
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