カンロは、売上高500億円以上・営業利益率30%以上などを定量目標とする「中期経営計画2030」達成に向けて、国内グミ事業を中心に活動を強化する。
国内グミ事業は、約130億円を投じて朝日工場(長野県)にグミ生産ラインの増築棟を建設し、グミ生産体制を2ラインから3ラインへと増やし生産能力を約5割引き上げる。増築棟は2027年7月の稼働を予定する。
インテージSRI+によると2024年グミ市場は1138億円、30年には1500億円に拡大すると同社は試算している。

グミ市場について、2月7日、発表会に臨んだ村田哲也社長は「幅広い世代で、グミの喫食人口が拡大することで1人当たりの購入金額も増加し、国内メーカーが積極的に商品供給することで供給面も増加する」との見方を示す。
24年グミ市場で同社は15.9%のシェアを握り2番手。30年には首位を目指す。
「昨年拡張した松本工場のグミ棟と朝日工場の増築棟を軸にして2030年までにはグミ市場でトップシェアを達成したい」と意欲をのぞかせる。
もう一つの柱である飴については、トップシェアを維持していく。インテージSRI+によると24年飴市場は1236億円。
「30年市場は24年のほぼ横ばいとみている。昨今のトレンドからするとトップシェアを維持していくのは非常に簡単ではないが、ナンバーワンメーカーとして飴の文化をしっかりと未来につなげていくため市場を牽引していく」と語る。
同社は“Sweetな瞬間を創り続けることで人々と社会に笑顔を。”のビジョンを掲げ、国内グミ市場を強化していくほか、カテゴリを問わず高付加価値化に挑む。
高付加価値化は、ごほうび・リラクゼーション・スイッチ・ヘルスケアの主に4つの提供価値を軸足とする。
大きなグミ市場規模を有する米国に本格参入し「ピュレグミ」の売上拡大や、マルチチャネル・D2C化推進による顧客とのエンゲージメントの強化にも取り組む。
30年計画の売上高500億円の内訳については「コア事業ではブランド基軸と差別化戦略の強化で国内市場を活性化し飴・グミともに確固たるナンバーワンシェアを実現することで410億円、グローバル事業では米国市場における成長と事業基盤を確立することで全社売上計画の10%に当たる50億円、ヒトツブカンロ事業では顧客接点強化によりブランドの育成とサービスの充実を行うことで25億円、デジタル事業ではブランド価値向上型のプラットフォームを構築しD2Cによる新たな収益モデルを実現することで15億円を目指す」と説明する。
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