コカ・コーラシステムは、外食でアルコールを飲用しない若年層に向けて「瓶コーク」と呼ばれる瓶入りの「コカ・コーラ」をアピールしていく。
外食が、コロナ禍前の水準に向けて回復基調にあることや、若年層と「コカ・コーラ」の重要なタッチポイントであることを受けて、年間を通して「瓶コーク」で若年層の開拓と外食需要の掘り起こしに注力する。
2月17日、「瓶コーク」の期間限定イベント「瓶コーク横丁」を開催している「渋谷横丁」(東京都渋谷区)で取材に応じた日本コカ・コーラの北原皓介マーケティング本部コカ・コーラTM事業部ディレクターは「外食チャネルを活用して食シーンの提案を強め、次世代ユーザーを獲得する」と力を込める。
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若年層獲得にあたり「瓶コーク」を活用する理由の一つに、レトロブームを挙げる。
「若年層の間で流行しているレトロブームは、一過性のものではないと考えている。『瓶コーク』は110年の歴史があり、現在は限られたチャネルで展開していることもあって、特別な体験として楽しんでいただけるはず」と語る。
若年層の乾杯への意識の変化にも勝算を見込む。
北原氏は外部データを引き、「若年層の約3人に2人が、“アルコールを飲めるが、あえて飲まない時がある”と回答している。乾杯はアルコールでなくてもいい、と考える人が多い」と指摘する。
「渋谷横丁」を運営する浜倉的商店製作所の安藤素トータルディレクターも「『渋谷横丁』はお客様の半数以上が20代で、全体の約3割が20代前半。若年層は、“とりあえず生”ではなく、1杯目にソフトドリンクを飲む方も多い」と語る。
乾杯シーンでの「コカ・コーラ」ならではの強みには、情緒的価値があると推測される。
「『コカ・コーラ』は、おいしさはもちろん、楽しいなどのブランドイメージもある唯一無二のソフトドリンク。外食で『コカ・コーラ』を飲み楽しい体験をしていただくことで、ご自宅に戻られた後も飲み続ける理由になると考えている」と話すのは日本コカ・コーラの金田伊代フランチャイズオペレーション本部Eating&Drinkingチャネルシニアディレクター。
「瓶コーク」での飲用体験の価値を高めるため、「パーフェクトサーブ」を提案し、外食の場で広げていく。
「パーフェクトサーブ」は、以下の手順で行われる。3℃に冷やした「コカ・コーラ」の瓶を用意し、グラスの「コカ・コーラ」ロゴの上までキューブアイスを入れる。コースターの上に瓶とグラスをセットし、栓を開ける。グラスを少し傾け、泡が立ちすぎないように「コカ・コーラ」のロゴの中央まで注いでと完成となる。
今後は「パーフェクトサーブ」に必要なグラス、コースター、栓抜きのキットを、全国の飲食店約2万店舗に提供。さらに全国約400店舗では「瓶コーク」を訴求するレトロなデザインのポスターの掲示など踏み込んだ活動を行う。
「瓶コーク横丁」では、店内を「コカ・コーラ」一色に染めると同時に、「渋谷横丁」内の全店舗で「瓶コーク」やコラボドリンクを販売。入口には「瓶コーク」の自販機を設置している。イベントは3月2日まで開催。
今後は「瓶コーク横丁」のような体験型イベントを4月に大阪でも実施し、接点拡大を図る。
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