コカ・コーラのレモンサワー専門ブランド「檸檬堂」が、19年の発売以来初のフルリニューアルに踏み切る。隠し味は“うま味”。「レモンを加熱する」というこれまでにない発想で、新たなおいしさにたどりついた。
「定番レモン」「レモン濃いめ」の中味を改良し、3月10日から新・「二代目檸檬堂」として発売。缶デザインの刷新も含め計4品をリニューアルする。
「今年『檸檬堂』は新たなステージへ進む。何代にもわたり愛される名店のように、価値観を継承しながら新時代のニーズに応える。そんな志を胸に、初代から二代目へと生まれ変わる」。2月27日の発表会で、日本コカ・コーラのアルコール事業本部長・福満静儀氏=下写真中央㊨=が宣言した。
コロナ禍を経て家飲み習慣が定着した、20~40代のユーザーがターゲット。メリハリ消費の傾向が強いこの世代では、20円程度の価格差なら、ちゃんとおいしくてこだわりを持ったお酒を選びたいと考えている人が約87%を占めることが調査で分かったという。
そんな意識に応え、目指したのは「五味」の絶妙なバランスによるおいしさ。
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「長年の課題だったおいしさになかなかたどりつけず、別のアプローチが必要と考えていた」と語るのは、開発を担当した同社の矢野真明氏=同中央㊧。試行錯誤の末に見出したのが、加熱したレモンのうまさだった。
「一般的にレモンはフレッシュな香りが好まれ、加熱するのはタブー。だが、それによって奥深い味が出せるようになった」。
「味博士」ことOISSY社の鈴木隆一代表=同㊧=によれば、焼いたレモンの汁を鶏肉やクリームチーズにかけると、生の果汁に比べてうま味が1.4~1.5倍に増すことがAI味覚センサーによる分析で分かったという。
「定番レモン」には、レモンを加熱する独自製法でうま味を最大限に引き出したレモンピールエキスを採用した。うま味に着目した製品は、飲料や缶チューハイでは異例。同社の飲料製品でも初めてだ。
「飲料にうま味を感じると違和感を覚えるので、あくまでも隠し味として使いこなすのに苦労した」と矢野氏は明かす。
全面刷新にともない「二代目檸檬堂店主」として起用したのは、俳優の市原隼人さん。持ち味のアツすぎる演技で「売るぜ!檸檬堂」を訴える多彩なコンテンツを展開する。
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