カスハラの裏側をみる

「カスタマーハラスメントは深刻な問題」と強調するのは大手食品メーカー幹部。ここ数年でお客様相談室に寄せられるクレームが急増している。オペレーターの心労が懸念されるレベルで、「社員を守っていかなければならない」。

▼決して同社が不良品を乱発しているわけではない。もちろん、真摯に耳を傾けるべき意見もあるが、最近増えたのは食品の値上げに起因するもの。品質とは直接関係ないのに、「日頃のご不満と負の感情をセットでぶつけてこられるケースが非常に多い」。

▼大手ニュースサイトのコメント欄は常に荒れている。某お笑い芸人によると「世界中どのスラム街よりも民度が低い」。意見・表現は自由であるべきだが、想像力や自制心が欠けていると感じることは少なくない。

▼年明けに起こったテレビ業界を揺るがすニュース。混乱の中で回転寿司チェーン店のタレント起用が物議を醸した。スピード重視の対応が裏目に出た格好だ。そもそも一般生活者の大多数は物事を冷静に見ている。昨今は声の大きい少数派がクローズアップされがちだが、重要なのは本質を見誤らないことだ。

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