セブン-イレブン・ジャパンは、カップラーメンカテゴリーで同社の基本戦略「松竹梅」マーケティングにおける「梅」(=経済性)のラインアップを拡充している。節約志向の高まりや消費行動の変化に対応することが狙い。プライベートブランド(PB)「セブンプレミアム」の「醤油ヌードル」(税別158円)など定番アイテムをベースに、ほぼ月替わりで新商品(12月「ほうれん草たくさんミルク塩ラーメン」、1月「旨辛台湾ラーメン」など)を積極的に展開中。
基本方針について、商品本部飲料・酒・加工食品部でカップラーメンを担当するマーチャンダイザーの長谷部徹氏は「節約志向の高まりで消費環境の先行きは楽観できない。各商品ともおいしさにこだわり、価格以上の価値を感じていただけるように磨き込んでいく」と話す。
25年2月通期のカップラーメンカテゴリーの販売実績は前年クリアを見込む。「セブンプレミアム」における「梅」の拡充について、長谷部氏は「価格が安いだけではなく、品質やボリュームなどお客様の満足度を高められるかが重要」と説明。その一環で、昨秋に和風(うどん・そば)のどんぶりカップ麺をレギュラーから大盛(同198円)にサイズアップした。タテ型のレギュラー(同158円)と併売し、より多様なニーズに応える。
![飯田商店 しょうゆらぁ麺 「飯田商店 しょうゆらぁ麺」](https://shokuhin.net/wp-content/uploads/2025/02/57a00c955a1204bcece6923460f61a21-300x259.jpg)
店頭では、カップ麺(ラーメン・和風)の定番アイテムは「安心価格」として継続的に訴求していたが、昨年9月からは「うれしい値!」のPOPに切り替え、値ごろ感をアピールする。
衷心価格帯の「竹」に位置付ける「蒙古タンメン中本 辛旨味噌」(同240円)が引き続き好調。同品は「セブンプレミアム」全品の24年(1~11月)売上ランキングで堂々の1位にランクインする。「味や品質など価格以上の価値を感じて買っていただけている」(長谷部氏)と手応えは大きい。
ワンランク上の「松」は「セブンプレミアム ゴールド」で展開。24年秋に「すみれ 札幌濃厚みそ」「一風堂赤丸新味 博多とんこつ」「山頭火 旭川とんこつ塩」の3品は価格改定(同328円=現行)を実施するとともに、さらなる品質強化を図った。進化し続ける各店の製法にならってスープのおいしさを磨き、麺や具材は増量した。
![中華蕎麦とみ田 純粋豚骨らぁめん 「中華蕎麦とみ田 純粋豚骨らぁめん」](https://shokuhin.net/wp-content/uploads/2025/02/b05027d7791d80687fa07cd0f00defff-300x254.jpg)
直近では25年2月から順次、同じく「ゴールド」の「飯田商店 しょうゆらぁ麺」と「中華蕎麦とみ田 純粋豚骨らぁめん」をリニューアル発売。前者は具材に店舗で人気の「わんたん」を追加し、後者は特製オイルでスープの風味がアップ、さらにお店の品質に近づけることを目指した。
一方、23~24年にHIKAKINプロデュースの「みそきん」がヒットしたように、話題性のある新商品も企画したい考え。長谷部氏は「おいしさはもちろんのこと、お客様に新しさや楽しさを感じていただき、来店動機に繋がるようなカップラーメンを提案できれば」と構想する。
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