フルタ製菓 巨星の遺志を継承 前向きに変化恐れず挑戦

フルタ製菓は、さらなる発展へ、24年11月28日に逝去した同社代表取締役会長の古田鶴彦氏の遺志を引き継ぎ、主力事業の強化やアイデアの具現化を推進していく。

1月14日、大阪市で開催されたフルタ会賀詞交歓会で、古田盛彦社長をはじめ参集の役員、社員らが心を一つにした。

古田社長は「3兄弟が協力して創業し、その創業の精神を語っていただける会長を送ったことは当社にとって大きな節目。しかしながら、創業の精神は社員の中に脈々と受け継がれ、強力に形として残していくことが私にとっての大切な使命」と力を込める。

今期(3月期)売上高は、フルタ製菓単体で前年比11%増の250億円、杉本屋製菓を加えたグループ計で11%増の280億円を計画。インフレによる節約志向の高まりやカカオ豆高騰を主因とするコストアップの厳しい環境下で攻めの姿勢を崩さない。

「変化の激しい時代であるからこそ、前向きに変化することを恐れず挑戦する姿勢を堅持し続けていく。65期目標達成に向け全社員一丸となってスタートダッシュを切った。今年は、より一段高いステージに達するための大事な一年」と語る。

12年連続の売上拡大に向けて、ファミリーチョコレート・ポケット菓子・チョコエッグ・焼き菓子の4本柱に加えて、業務用チョコレート事業と2022年にグループ入りした杉本屋製菓の事業に注力している。

4―11月は業務用チョコレート事業が牽引して増収増益で着地。杉本屋製菓はグループ入りして2回目の決算を終え、前期(12月期)売上高は目標の30億円を達成した。

乾重一顧問㊧と古田盛彦社長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
乾重一顧問㊧と古田盛彦社長

中締めのあいさつをした乾重一営業本部顧問は、4月から12月までの各単月の成績について「7勝2敗」と総括。2敗は8月と9月。猛暑で主力チョコレート商品の出荷が滞ったためという。

これらの動向を踏まえ「今期は10勝2敗で着地する。『明るく、元気に、イキイキと』『営業は売って、売って、売りまくれ』が会長のいつもの言葉。これを私が継承する。77歳、元気いっぱい」と意欲をのぞかせる。

賀詞交歓会は今回、開催の是非を問う声も寄せられた中、内容を一部変更して決行した。

その理由について古田社長は、四十九日の法要を終えたことに加えて「古田会長が何よりも、このフルタ会で会員の皆さまに集まっていただき、賑やかに、楽しく、新たな年を迎えることを心から楽しみにさせていただいていることから改めて開催した」と説明する。

古田剛士課長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
古田剛士課長

会長の孫にあたる古田剛士課長は閉会の辞で「90歳になっても、真夏でもネクタイをしっかり締め、入院する最後の最後まで出社する姿勢、フルタ製菓に対する想いは、本当に今も尊敬している。会長の穴を少しでもカバーできるように、そしてさらなる発展を目指して取り組んでいきたい」と述べる。

古田鶴彦氏は、昭和9年(1934年)5月16日生まれ。1952年8月、長男・古田亀彦氏、次男・古田乙彦氏、三男・古田鶴彦氏の兄弟3人でフルタ製菓(当時=古田製菓栄養研究所)を創業した。
フルタ会会長を務める福谷の福谷藤七郎社長は「ゼロから一代でフルタ製菓さまのご隆盛を築かれた立志伝中の企業家であり、本当に人格者」と評する。

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