17.8 C
Tokyo
16.9 C
Osaka
2025 / 11 / 10 月曜日
English
加工食品菓子フルタ製菓 巨星の遺志を継承 前向きに変化恐れず挑戦
2025台湾食品調達商談会 in Osaka by 台湾貿易センター

フルタ製菓 巨星の遺志を継承 前向きに変化恐れず挑戦

フルタ製菓は、さらなる発展へ、24年11月28日に逝去した同社代表取締役会長の古田鶴彦氏の遺志を引き継ぎ、主力事業の強化やアイデアの具現化を推進していく。

1月14日、大阪市で開催されたフルタ会賀詞交歓会で、古田盛彦社長をはじめ参集の役員、社員らが心を一つにした。

古田社長は「3兄弟が協力して創業し、その創業の精神を語っていただける会長を送ったことは当社にとって大きな節目。しかしながら、創業の精神は社員の中に脈々と受け継がれ、強力に形として残していくことが私にとっての大切な使命」と力を込める。

今期(3月期)売上高は、フルタ製菓単体で前年比11%増の250億円、杉本屋製菓を加えたグループ計で11%増の280億円を計画。インフレによる節約志向の高まりやカカオ豆高騰を主因とするコストアップの厳しい環境下で攻めの姿勢を崩さない。

「変化の激しい時代であるからこそ、前向きに変化することを恐れず挑戦する姿勢を堅持し続けていく。65期目標達成に向け全社員一丸となってスタートダッシュを切った。今年は、より一段高いステージに達するための大事な一年」と語る。

12年連続の売上拡大に向けて、ファミリーチョコレート・ポケット菓子・チョコエッグ・焼き菓子の4本柱に加えて、業務用チョコレート事業と2022年にグループ入りした杉本屋製菓の事業に注力している。

4―11月は業務用チョコレート事業が牽引して増収増益で着地。杉本屋製菓はグループ入りして2回目の決算を終え、前期(12月期)売上高は目標の30億円を達成した。

乾重一顧問㊧と古田盛彦社長
乾重一顧問㊧と古田盛彦社長

中締めのあいさつをした乾重一営業本部顧問は、4月から12月までの各単月の成績について「7勝2敗」と総括。2敗は8月と9月。猛暑で主力チョコレート商品の出荷が滞ったためという。

これらの動向を踏まえ「今期は10勝2敗で着地する。『明るく、元気に、イキイキと』『営業は売って、売って、売りまくれ』が会長のいつもの言葉。これを私が継承する。77歳、元気いっぱい」と意欲をのぞかせる。

賀詞交歓会は今回、開催の是非を問う声も寄せられた中、内容を一部変更して決行した。

その理由について古田社長は、四十九日の法要を終えたことに加えて「古田会長が何よりも、このフルタ会で会員の皆さまに集まっていただき、賑やかに、楽しく、新たな年を迎えることを心から楽しみにさせていただいていることから改めて開催した」と説明する。

古田剛士課長
古田剛士課長

会長の孫にあたる古田剛士課長は閉会の辞で「90歳になっても、真夏でもネクタイをしっかり締め、入院する最後の最後まで出社する姿勢、フルタ製菓に対する想いは、本当に今も尊敬している。会長の穴を少しでもカバーできるように、そしてさらなる発展を目指して取り組んでいきたい」と述べる。

古田鶴彦氏は、昭和9年(1934年)5月16日生まれ。1952年8月、長男・古田亀彦氏、次男・古田乙彦氏、三男・古田鶴彦氏の兄弟3人でフルタ製菓(当時=古田製菓栄養研究所)を創業した。
フルタ会会長を務める福谷の福谷藤七郎社長は「ゼロから一代でフルタ製菓さまのご隆盛を築かれた立志伝中の企業家であり、本当に人格者」と評する。

関連記事

インタビュー特集

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。

明星食品 新提案「麺の明星 主食麺宣言!」 4つの軸の袋麺アレンジで食事性アップ

明星食品は、こだわりの麺技術で開発した商品ラインアップを全面に押し出し、新たに「麺の明星 主食麺宣言!」と銘打ったプロモーションを大々的に展開している。

イチビキ 中村拓也社長 豆みそ・たまりNo.1の矜持を 人口減睨み業務用・海外強化

安永元年(1772年)創業の醸造・食品メーカー、イチビキ。今年6月20日付で同社社長に就いた中村拓也氏は、98年入社。

「大豆ミート」対談 マルコメ・日本製鋼所 次世代型食品へ課題と提言

健康志向が高まり、プラントベースフード(PBF)にも関心が集まる中、2023年9月に大豆ミートメーカー5社が発起人となり、「日本大豆ミート協会」が設立された。

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点