激辛「ブルダック」+新ブランド 若年層が支持、日本市場の中心へ 三養ジャパン 洪範準社長に聞く

韓国発の「ブルダック炒め麺」で日本の即席麺市場に旋風を巻き起こしている三養ジャパン。2025年は看板ブランド「ブルダック」を主力に展開しつつ、春には辛さを特長にした汁あり麺の新ブランド「メップ」を上市、さらなる販売拡大を目指す。

本紙の取材に洪範準(ホン・ボムジュン)社長は「日本市場で当社製品は若年層を中心に支持されているが、まだまだ成長の余地がある。スピード感を上げ、数年以内にはマーケットの中心的な存在に育てたい」と意気込む。

ポテトチップス、SNSキャンペーンなど好評

三養ジャパンは19年設立。韓国・三養食品グループ初の国外現地法人だった(現在5拠点。他にアメリカ、中国、インドネシア、オランダ)。日本の市場環境、消費者ニーズ、商慣習にあわせて積極的な事業活動を行っている。

洪社長によると、24年12月期の販売実績は前年比約15%増を見込む。主力の「ブルダック炒め麺」シリーズは、「カルボナーラ」「オリジナル」「チーズ」を3本柱にスーパー等の販路開拓が進んだ。若年層の購買意欲を後押しする商品としても評価が高い。ECサイトでは「クリームカルボ」「クアトロチーズ」「ロゼ」なども売れ筋上位にランクインする。

また新カテゴリーへの挑戦となった「ブルダックポテトチップス」も売上に貢献。「オリジナル味」「4種のチーズ味」「ハバネロ&ライム味」の3種で、発売から2か月で50万食を突破した。「比較的ライトな辛さで多くの方にご支持いただけた。『ブルダック炒め麺』シリーズのファンにも好評」(洪社長)とする。

トピックスには「ブルダック」の「X」公式アカウントのフォロワー数が10万人を突破したことも挙げられる。24年夏頃の7~8万人から急増した。様々な企画を実施した中で、特に「ブルダック」製品が毎月届く「1年分プレゼントキャンペーン」の反響が大きかった。

汁あり麺の新ブランド「メップ」発売へ

「カルボナーラブルダック炒め麺」「ブルダック炒め麺」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「カルボナーラブルダック炒め麺」「ブルダック炒め麺」

25年の方針について、洪社長は「営業スタッフを増員し、スーパーやコンビニなど販路拡大を推進する。主力の『ブルダック』はカップ麺タイプの拡充や麺類以外のカテゴリー強化を図っていく」とした上で、春頃にかけては汁あり麺の新ブランド「メップ」を投入し、2年目を迎えるパスタの「テングル」ブランドは全面刷新するとの施策を説明。「当社グループが注力するグローバル展開を日本でも加速させる」と意欲を示す。

「メップ」は独特の旨味・辛味の2品種を予定。その辛さを「メラメラ(燃え上がる辛さ)」「ピリ辛さ」「青唐辛子の辛さ」「にんにく・しょうがの辛さ」「胡椒の辛さ」と5つの指標を基にチャートで示し、好みの味わいを楽しめるようにした。

パスタの「テングル」は大幅なブラッシュアップを施し認知拡大を図る。ノンフライのもちもちとした生麺食感はそのままに、新たに高たんぱく質の麺を採用、簡便で健康志向にも応えるブランドに進化させる。パッケージデザインの一新と新フレーバーの投入も予定。

一方、今期はBtoB事業にも注力する方針。業務用に「ブルダック」の激辛ソースをスティックタイプで製品化し、外食やデリカに展開する計画だ。「刺激的な辛さでメニューの差別化が図られ、BtoB市場でもブルダックの認知拡大が期待できる」(洪社長)。

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