今年こそ気持ちよい初夢をみたい。一年の計を初夢で量る習慣はないし、日頃目が覚めて夢を覚えていることも少ない。だが初夢はなぜか3年連続して悪夢だった。悪夢と言い切ると大袈裟だが、不愉快な夢の類である。
▼素敵な初夢に出会うにはどうすればよいのか。室町時代には七福神の乗った宝船の絵と回文を枕の下に忍ばせるのが流行ったらしい。回文は「長き夜の 遠の眠りの皆目覚め 波乗り船の 音の良きかな」。宝船を連想させる歌だ。それでも悪夢を見た場合は、川に流してリセットできるのだそうだ。
▼いずれにせよ、当時から初夢でその年の吉兆を占っていたこと、回文で言葉遊びをしていたことは興味深い。そういえば、子どもの時分に回文作りが流行った。その年に届いた同級生からの年賀状は回文ばかりだった記憶がある。年賀状も郵便料金の値上げを機に「年賀状じまい」をする方が増えたそうだ。味気ないと感じるのは私だけなのだろうか。
▼閑話休題。問題はどんな夢を見たいかだ。巳年の初夢で怖くない蛇が出てきたら、かなりの吉夢ではないか。