カバヤ食品のチョコレートの主力ブランド「さくさくぱんだ」の新たな試みとして情緒に訴える期間限定品(セカンドフレーバー)「さくさくぱんだ しあわせの苺タルト」を11月12日から発売している。
「さくさくぱんだ」は、定番商品の「さくさくぱんだ」と「さくさくぱんだ ファミリーパック」に期間限定商品を加えた3品体制で展開している。
期間限定商品の主な役割はブランドの新規ユーザー獲得にある。季節に合わせた期間限定品でニュースを発信し、期間限定品の購入を通じてブランドに興味を持ってもらえるように取り組んでいる。
近年は、メインターゲットである20・30代女性のプチ贅沢したい気持ちに寄り添いトレンドを捉えたデザート系フレーバーの期間限定品に重きを置いている。
「しあわせの苺タルト」はこのようなプチ贅沢ニーズへの対応に加えて情緒に訴える。
取材に応じたマーケティング本部ブランド企画部企画一課の大須賀遥香氏は「『さくさくぱんだ』では初めて商品名に“しあわせ”の文言を入れて情緒価値をプラスした商品名にした。味覚だけではなく、食べたあとの感情も価値として伝えていきたい」と力を込める。
パッケージは、たっぷりの苺とカスタードを乗せたタルトの写真を大きく配置して目立たせることで苺タルトの味わいを想起しやすいようにデザインした。
中身は、「さくさくぱんだ」の三層構造を活かし、カスタード風味のチョコレート(一層目)、甘酸っぱい苺チョコレート(二層目)、香ばしいさくさくビスケット(三層目)を組み合わせて苺タルトの味わいを再現した。
フレーバー展開の考え方について、マーケティング本部ブランド企画部企画一課の神田美幸課長は「過去に発売したフレーバーであっても品質をアップデートすることに加え、二色のチョコレートならではの表現ができるようなものを選んで展開している」と説明する。
チョコレート需要が落ち込みやすい夏場には、「さくさくぱんだ 塩キャラメルソフト」で手応えを得ている。
「夏場のチョコレートは塩系のフレーバーが売れる傾向にある。塩が加わることで“さっぱり食べられる”イメージや“1個食べるともう1個食べたくなる”連食性を促しやすくなり、ある程度地位を確立しつつある」と述べる。
同商品で実施したクリアポーチのプレゼント企画も販売を押し上げたという。
コミュニケーションはXの公式アカウント「さくさくぱんだ村」を活用。フォロワー数は現在7万2000人に上る。
カカオ豆の高騰には価格改定で対応。「さくさくぱんだ」を含むチョコレート商品の出荷価格を2~3月に3 ~19%、10 ~11月に20~30%引き上げた。
11月には価格改定に加えて、「さくさくぱんだ」に次ぐ注力アイテムの「アーモンドチョコレート」と「あっさりショコラ」をリニューアル発売。
チョコレート(カカオ分35%以上・カカオ分と乳固形分の合計35%以上)から準チョコレート(カカオ分15%以上・カカオ分7%以上かつ乳固形分12.5%以上)に変更した。「原材料を工夫し、美味しさはそのままの商品に仕上がった」と語る。