日清オイリオグループの久野貴久社長は、下期の重点取り組みとして、家庭用食用油の数量回復に向けた提案活動を強化する方針を示した。
上期の家庭用食用油市場は約915億円(前年比0.4%増)。金額ベースでは過去最高だった前年を若干上回ったものの、オリーブオイルの価格高騰の影響もあり、物量は前年を下回った。
テレビ番組に健康効果が取り上げられたアマニ油や、こめ油などの付加価値品が好調だったものの、最大カテゴリーのクッキングオイルは金額前年割れ。原料相場軟化の追い風をつかまえきれず、数量ベースでも前年を下回った。
歴史的な価格高騰に直面するオリーブオイルは、金額は前年をクリアしたものの、物量は3割減と大きく落ちこんでおり、値上げ後の需要喚起が課題となっている。
オリーブオイルは2年連続の不作による価格高騰の影響を大きく受けたが、久野社長は「(年間400億円を超える)オリーブオイル市場の維持拡大に向けて、手に取りやすい小容量サイズやブレンドオイルの提案を強化し、需要喚起を図っていく。若年層の開拓も進めていきたい」と意気込みを示した。
クッキングオイルについては、急激な為替変動や物流費、資材、人件費などのコスト上昇が続いており、10月から価格改定を実施。「価格改定の実勢化を急ぐとともに、販売のテコ入れを図っていく」との考えを強調。今春に発売した大型新製品「日清ヘルシークリア」は順調に販売が進んでおり、下期に向けてもプロモーション活動をさらに強化し、さらなる拡販を目指すとともに、主力の「日清ヘルシーオフ」をはじめとした汎用油の販売を強化していく構えだ。
また、上期好調だったアマニ油はオメガ3の健康性やかけるオイルの提案を強化し、市場の定着拡大につなげる。