フォアグラの代替品として日本ハムが開発した「グラフォア」が、ハンバーガーチェーン「フレッシュネスバーガー」のキャンペーンメニューに採用された。
ガチョウやカモに大量の飼料を与えて肥大化させた肝臓であるフォアグラは、アニマルウェルフェア(動物福祉)の観点から生産を禁止する国も近年増えている。
社会課題の解決に力を入れる日本ハムでは、需要の少ない時期に在庫がだぶつきがちな「鶏レバー」に着目。フォアグラと同様に鳥の肝臓であることから、これを活用することで本物に限りなく近い味わいや見た目、そして簡便調理の実現を目指して開発したのが「グラフォア」だ。
ネーミングには「フォアグラの概念をひっくり返す」との意図が込められている。昨春に発売し、スーパーやECでの小売や飲食店向けに展開中。
フレッシュネスバーガーが年末年始恒例のご褒美バーガーとして期間限定発売する「神戸牛バーガー」は、今年で五代目。メニュー3種のひとつとして登場したのが「神戸牛グラフォアバーガー」(税込1250円)だ。神戸牛使用の特製パティに、グラフォアを載せている。フランス料理の定番「ロッシーニ」をイメージしたという。
20日のメディア向け試食会で、グラフォア開発を担当した日本ハムの上野瑞城氏は「一般に鶏レバーは冬場の需要が少なく、一部は家畜の飼料になっている。肉を扱うメーカーとしてこうした状況をなんとかできないかと、代替品の開発を考えた」と説明した。
従来の代替品はペースト状のものばかりで、本来のフォアグラのように固形のまま料理に使えないのが難点だったという。豚脂など複数種の脂を配合し奥深いフォアグラの味わいを再現したグラフォアは、ブロック状の冷凍品。解凍して両面を1分焼くだけという手軽さも魅力だ。
フレッシュネスバーガーで商品開発部長を務める逆井里奈氏は「食べたらびっくり、フォアグラよりも食べやすい。鶏レバーはさっぱりしたイメージがあるが、しっかりとした風味があり、口の中でなめらかに溶けていく。すばらしいと思った」と絶賛した。
「神戸牛グラフォアバーガー」をはじめとした限定メニューは、12月4日~2月4日にかけて全国のフレッシュネスバーガー約150店舗で楽しめる。