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トップニュース未来あるコメ産業に 農家も儲かる仕組みが急務 神明 藤尾社長

未来あるコメ産業に 農家も儲かる仕組みが急務 神明 藤尾社長

「令和の米騒動」と言われた今年の夏。6月頃から市場に品薄感が漂ったことに加えて、8月の地震や台風などの災害に備えて、消費者が買いだめしたことで需要が急増してコメ不足となった。

農林水産省によると、昨年に収穫された令和5年度産水稲の作付け面積(主食用)は124万2000ha、前年対比9000ha減。猛暑が稲に高温障害をもたらし、米どころの新潟をはじめ各地で不作となった。

コメ卸最大手の神明の藤尾益雄社長は、今回の米騒動について「そもそもコメの生産力が低下していることが原因。根本的に打開しなければ、再び大変な状況に陥る」と危機感を募らせる。生産力低下の要因や直近のコメ市場について聞いた。

  ◇  ◇

平成5年(1993年)に「平成の米騒動」と呼ばれた大不作があった。この時のコメの作付け面積は全国で約200万ha、コメ農家は270~280万人だったため、翌年には不足が解消された。それがいまや125万ha、85万人。30年間でコメ農家が3分の1に減った。この状況ではまた何かあれば大変なことになる。コメ農家が減った要因の一つは、食の多様化によりコメ消費が低下したこと。二つ目はコメの価格が低く再生産価格を割っていて、後継者が育たないこと。

今回「令和の米騒動」がニュースとして大きく取り上げられ、コメの重要性を消費者、スーパー、外食産業が再認識するきっかけとなった。価格が高騰しても受け入れられることが分かったので、生産者にとっても意欲向上につながるのではないかと期待している。

今後はいかに消費を落とさないかが課題。そのためには若い人に、おにぎりでもどんぶりでも、とにかくコメを消費してもらう努力が必要。また訪日外国人に対して、外食産業やスーパーが、しっかりとコメを食べてもらう取り組みも大切だ。

夏以降は消費の冷え込みを心配していたが、主食用輸入米SBS(売買同時入札)は好調に推移している。年間約10万tのSBS枠(1回当たり約2.5万t)の入札に対して、1回目(9月)7.5万t、2回目(10月)7.8万tの応札があった。外食などエンドユーザーを中心に外米の要望が強く、当社も一部に外米とのブレンド米を提供している。

高値による消費減退を懸念していたが、当社の販売だけで言えば、前年以上に好調に推移している。ただ令和5年度産のコメの高騰は、あくまでも業者がつくった相場であり、生産者に還元されていない。令和6年産も高値が続いて、ようやく潤い始めた。

農業の新規就労者はまだまだ少ない。基本的には現在の担い手の家族に継いでもらうのが一番良いと考える。全国の産地を訪問して生産者に直接会い、後継者を問うと、体感的には2割ほどしかいない。農家が稼げる仕組みをつくり、それを見た子どもが継ぎたいと思う農業に発展させなくてはいけない。

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