6.6 C
Tokyo
6.9 C
Osaka
2025 / 12 / 15 月曜日
ログイン
English
トップニュースパスタ需要が増加 年間供給量30万tも視野に 国産で新たなトレンド

パスタ需要が増加 年間供給量30万tも視野に 国産で新たなトレンド

ドライパスタの需要が増えている。2023年の国内供給量は前年を割ったが、24年は年初から国産品の生産量が前年超え。前年減少した輸入品も春先からは二ケタの伸びが続いている。夏場の米不足も需要増に拍車をかけた。1~9月の国内供給量は22万8000t(前年比6.8%増)。年間供給量30万tの大台も見えてきた。

日本パスタ協会によると、23年の国内パスタ供給量は28万6000t。コロナ特需があった20年は32万7600tに達した。20年は輸入量が2割以上増えた年でもあったが、国産パスタは現在まで堅調さを維持。16年と23年を比較すると国産パスタの生産量は4.8%伸長した。24年も国産は前年を上回る生産を続け、1~9月は前年比4.6%増だった。

コロナ禍以降、家庭内でのパスタ喫食率が増えた。国産パスタは品質の高さや、国産ならではの日本人のライフスタイルに合った特徴により支持を広げている。特に早ゆでパスタは調理に時短・簡便を求める人に適した商品だ。おいしさと調理の早さを両立させたことが評価され、右肩上がりの成長を続けている。

早ゆでパスタの次のフェーズは、アジアや欧米での展開だ。日清製粉ウェルナでは早ゆでパスタの海外展開に注力。グループでは日本、トルコ、米国の3拠点で早ゆでスパゲティの生産が可能だ。アジアではベトナムをターゲットに家庭用製品の販売を開始しており、早ゆでに関しても事前の調査で現地人のニーズがあることも分かった。欧州最大規模の食品総合展「SIAL Paris」でも早ゆでを含む商品を紹介するなど、ワークを進めている。

成熟カテゴリーと言われるパスタ市場で新たな旋風を巻き起こしているのが、もちっとした食感の麺。これまでの「パスタはアルデンテ」という既成概念を破ったのがニップンの「オーマイプレミアム もちっとおいしいスパゲッティ」だ。プレミックスなど他のカテゴリーでも「もちもち」食感はトレンド。若年層に対する調査では「もちっとした食感でむちっと噛み切れるパスタ」を好む人が多いことが分かった。発売当初5割だった導入店舗率は、秋には7割まで増えたという。

関連記事

インタビュー特集

日本酒「獺祭」輸出4割増 「海外トップブランドが強み」桜井社長

清酒「獺祭」の輸出が世界各国で伸びている。前9月期は総売上高213億円(前年比9%増)のうち、輸出実績(未納税含まず)は79億円、実に4割増だった。

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。