東日本砂糖特約店協同組合は10月22日、第39回東日本流通懇話会を開催した。精糖工業会、日本ビート糖業協会、日本製糖協会、全国砂糖代理店会など約130人の業界関係者が参加した。
懇話会の冒頭、西川宗行理事長は「物流の2024年問題の是正に向けて昨年6月、農林水産省、国土交通省、経済産業省による『物流革新に向けた政策パッケージ』が決定され、実効性のある具体案が策定されてきている」と説明。
その上で「中でも標準運賃の見直しでは荷主への適正な転嫁が謳われており、運賃の可視化や燃料サーチャージの設定、燃料上昇分の転嫁、荷役作業にかかる対価など別建て運賃化が推奨されている」と述べ、是正に向けてのアクションと「粘り強い交渉」を呼びかけた。
続いて、流通懇話会恒例の講演会を開催。今回は、メディアで多方面に活躍する慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授・岸博幸氏による「日本経済のゆくえ~世の中の流れ」、農林水産省農産局地域作物課課長補佐・白倉圭造氏による「令和6砂糖年度諸指標及び砂糖の現状について」と題した講演が行われた。
岸氏は「一人当たりGDPや所得水準で日本は先進国の中で最低水準。マスコミは物価水準と賃上げの好循環で経済が復活すると偏った報道をするが、この30年で日本の競争力はどん底に落ち込んでいる」と指摘。「企業は今が頑張りどころ。生産性の向上に向けてデジタル化投資やイノベーションにしっかりと取り組むべきだ」と訴えた。
白倉氏は「令和6年に改正された『食料・農業・農村基本法』に基づき、来年3月をめどに品目ごとに中長期的な基本計画を策定する。『食料安全保障』を柱としており、中でも砂糖は国民の摂取カロリーの8%を占める重要品目の位置付け」と強調。「甘味資源作物生産者や国内産糖製造者を支えるため糖価調整制度の堅持がカギとなる。引き続き持続可能な制度のあり方を検討していく」と述べた。