3.1 C
Tokyo
2.8 C
Osaka
2025 / 12 / 27 土曜日
ログイン
English
流通・飲食物流菓子の保管・輸送に冷房強化の動き 北日本は空調不要は「今は昔」

菓子の保管・輸送に冷房強化の動き 北日本は空調不要は「今は昔」

地球温暖化の影響によりチョコレートやグミなど菓子の保管・輸送で冷房強化の動きが強まっている。菓子において北海道と東北では今夏、この動きが顕著となり空調不要は「今は昔」の状態。冷房を設備しない北海道の倉庫では夏場、チョコレートを入庫できない事態が発生したという。

山星屋の猪忠孝社長は「チョコレートの温度管理は24℃を超えてはいけないため、温暖化が進む北海道の倉庫でも低温庫を設置し、チョコレートなどの低温度帯商品を管理している」と説明する。

配送については、夏場、チョコレートやグミをチルド配送する小売業が増加傾向にあることから「夏場だけチルドセンターへの納品を要請されるところもある」という。

今後については「グミ市場が拡大していることもあり、今後も気温が上がり続けることを考えると温度管理はますます重要になってくる」との見方を示す。

保冷期間の長期化を受けて、配送車を含めて設備投資を考えているのは髙山。

髙山の髙山時光社長は「コストはかかるが、今後の気候変動を考えると温度管理の強化は商売を続けていく前提だと考えている」と述べる。

髙山では従来、主に常温で菓子を扱ってきたが、「近年は常温という概念そのものが少し変わってきた。チョコレートのみならずグミやキャンディも保冷対応の強化が必要で、常温エリアと保冷エリアが共存する倉庫から、全館空調を導入する事例も増えてきている」と述べる。

コンフェックスと、関東・東北を中心に事業展開する関口も設備投資を計画。

コンフェックスの昆靖社長兼グループCEOは「商品と同等に働く人の環境を整備していかなくてはいけない。チョコレートを保管しているところを除いて、自社センターのほとんどで空調が効いていないためだ。長期的にみても気温が下がることはないことから、コスト増にはなるが空調の整備を考えている」と語る。

関口の関口快太郎社長も「今まではお菓子のことだけを考えて冷房を取り入れていたが、今後は働く人のためにも倉庫全館を冷やしていくことを考えていかなければならない」と力を込める。

設備投資については「倉庫は、10℃以下の冷蔵にする必要はなく、冷房を効かせて15~25℃の低温(定温)にしていく必要がある。チョコレートは、すでに倉庫内で保冷庫と呼ばれる専用倉庫をつくり溶けないようにしている」との考えを明らかにする。

関連記事

インタビュー特集

米国の認証機関として、米国輸出への総合支援に自信 認証だけでなく、企業の社会的信頼を高める仕組みづくりもサポート ペリージョンソン ホールディング(PJR) 審査登録機関

ペリージョンソン ホールディング(TEL03-5774-9510)は、ISO認証、ビジネスコンサルティング、教育・研修事業を通して顧客のサステナビリティ活動の普及に尽力。

国際的情報豊富な感覚で審査を展開 細分化したフードセクターに精通した審査員多数 SGSジャパン(SGS) 審査登録機関

SGSはスイス・ジュネーブに本拠を置き、試験・検査・認証機関としては世界最大級の規模である。世界115カ国以上に2500以上の事務所と試験所を有し、各産業分野における検査や試験、公的機関により定められた規格の認証などを行っている検査・検証・試験認証のリーディングカンパニーである。

キンレイ「鍋焼うどん」、さらにおいしく進化 自社工場でかつお節を削り出した理由とは 50年のこだわり脈々と

キンレイの冷凍具付き麺「お水がいらない」シリーズが販売好調だ。2010年に立ち上げ、昨24年までに累計2億食以上を販売している。

日本酒「獺祭」輸出4割増 「海外トップブランドが強み」桜井社長

清酒「獺祭」の輸出が世界各国で伸びている。前9月期は総売上高213億円(前年比9%増)のうち、輸出実績(未納税含まず)は79億円、実に4割増だった。

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。