ニップンは10月11日、山口市の山口県庁で山口県および山口県農業協同組合(JA山口県)との間で農業分野の振興に係る連携協定を締結した。
県産小麦の安定的な使用を継続したいニップンと地産地消を推進する山口県、農産物の生産拡大を目指す山口県農業協同組合の三者がタッグを組む。ニップンが県と連携協定を締結するのは今回が初めて。
ニップンの前鶴俊哉社長は「当社と山口県は10年以上前から県産小麦の安定供給を行っており、山口県農業協同組合を中心に小麦の品質向上に取り組んでいただいている。お世話になっている山口県へのお役立ちとなれるよう県の生産者の方々の生産振興や地産地消を推し進めていく。生産・加工・販売の各段階におけるシナジー効果の創出を期待している」とあいさつ。
続いて山口県農業協同組合経営管理委員会の平岡武会長は「山口県においても生産者の高齢化に伴う担い手不足や作付面積の減少が進んでいる。担い手となる生産法人や大規模農家にとって麦は経営を続けていくうえでの重要な穀物。連携協定の締結を機に県産品のさらなる振興につなげていきたい」とコメント。
村岡嗣政山口県知事は「三者が協働して生産振興をはじめ、県産・農林水産物などの需要拡大や農業組合での人材育成などに取り組んでいく。今後の農業組合の発展に大きく寄与するものであり大変心強く感じている」と結んだ。
具体的な連携内容は以下の通り。これらの取り組みを通じて県内生産者が要望している小麦の作付拡大を推進し県産小麦の需要拡大につなげていくほか、加工事業などへの山口県農産品の使用や山口県農産物などの生産振興・需要拡大・人材育成を促進する意向だ。
――生産振興(栽培技術・品種開発):県産麦の持続的な生産供給体制の構築および高位安定生産のための技術開発と普及指導、品種選定に向けた共同試験研究
――需要拡大(商品開発、地産地消):県産小麦の取扱契約数量の拡大と利用拡大に向けた啓発活動、県産農林水産物を使用した新たな商品開発の支援、地産地消の理解促進等のイベントを開催
――人材育成(農業の担い手、教育):農業大学校等および教育機関と連携した人材育成、県民の農業分野の理解促進のための啓発活動等
――その他農業分野の振興など。