サントリー推計で物流業界全体のトラックドライバーは2030年、22年比で23%減少する――。
トラック輸送量が多い飲料業界の中で、業界トップクラスのサントリー食品インターナショナルは、ドライバー不足を重大な経営課題と捉えて、輸送距離の短縮化やドライバーの待機時間削減を図るとともに、運びやすさも考慮した商品設計に取り組む。
10月18日、サントリーホールディングスの塚田哲也サプライチェーン本部物流調達部部長は「デザインを重視した容器設計は凸凹が多くケースに入れた際に空間が生じやすく、ケースが大きくなってしまう」と語る。
この課題解決に向け、今春からケース内の隙間を極力なくすべく、積載効率が高い容器形状を「伊右衛門」「GREEN DA・KA・RA」「サントリー烏龍茶」3ブランドの一部商品(600mlPET)に採用。これにより、パレット1枚に積めるケース数を従来の35ケースから45ケースへと増加させた。
加えて「サントリー天然水」1Lサイズに新容器を採用して5月28日から発売。新容器は、意匠性を高めるとともにスリム化を図ったもので、これによりパレット1枚当たりのケース数は50ケースから60ケースへ拡大した。
これらの取り組みにより6月から8月にかけて4万台必要としていたトラックの台数を10%削減した。
今後は、ブランド戦略などの観点も考慮しながら対象商品を慎重に判断し段階的に積載効率が高い容器形状の導入を進めていくとみられる。