昨年に20周年を迎えた、日本ワインブランド「グランポレール」。サッポロビールがブドウ作りから醸造までを手がける。産地と品種の個性・ポテンシャルを活かしたワイン造りへの評価は年々高まり、今年も国内外のアワードで受賞を重ねた。
「ご評価いただける品質に育ってきた。7月には生産拠点を再編。より収益性と魅力度を増して、サッポロビールのワイン事業の象徴として存在感を高めていきたい」。10月9日の新商品試飲体験会で、同社ワイン&スピリッツ事業部の佐々木悟大部長が述べた。
グランポレールは3年連続で売上拡大中。今年も9月まで前年比114%と、さらに伸びが加速している。
このほどブランドの新たなチーフワインメーカーに就任したのは多田淳氏。17年からのフランス留学でワイン醸造士の国家資格を取得し、20年からは勝沼ワイナリー(山梨県)で醸造に携わってきた。
「ワイン造りは子育てに似ている」と語る多田氏は二児の父。「同じ品種でも、産地や年、木によって個性が違うのを実感。ワインメーカーとして、個性をしっかり伸ばしてあげたいとの思いで取り組んでいる」という。
多田氏を見守ってきた前任の工藤雅義氏は、シニアワインメーカーに就任。「『ワイン造りは子育て』というのは『ブドウがなりたいワインを造る』という私のモットーと根幹は同じ。ワインメイキングの主要な部分はきちんと継承してくれると思う」と信頼を寄せる。
ブランドを構成する3シリーズのうち、畑の個性を体現する高品質のブドウを使用した最高峰「シングルヴィンヤードシリーズ」から数量限定の新商品を9月25日に発売。
北斗ヴィンヤード(北海道)からは「日本ワインコンクール2024」で金賞を受賞したセカンドヴィンテージ「北斗シャルドネ2023」、同園初の赤となる「北斗メルロー 2022」の2品が登場した。
安曇野池田ヴィンヤード(長野県)からは、初の瓶内二次発酵スパークリング「シャルドネ ブラン・ド・ブラン〈トラディショナル・メソッド〉2020」を発売した。
同園の土壌は礫が多く傾斜地のため、水はけのよさとやせた土が特徴。小粒で濃縮感のあるブドウができるという。新発売のスパークリングでは、成熟しても酸がしっかりと残る同園のシャルドネの特徴を、瓶内二次発酵によって生かすことを狙ったと多田氏は説明した。
また「安曇野池田ソーヴィニヨン・ブラン〈薫るヴェール〉2023」は、ソーヴィニョン・ブランの「秘めた」薫りを再大現に引き出した栽培家・ワインメーカーこだわりの逸品。グレープフルーツを思わせる華やかなアロマと、豊かな酸味が特徴だという。