愛知県では、県内で商業を学ぶ高校生を対象に商品の開発から販売まで一貫して学んでもらう「地域協働ビジネススキルアップ事業」を20年から5か年計画で実施している。
最終年度となる今年度、初めて11校の生徒が考案した新商品のプレゼンテーションが行われ、1位に選ばれた東海樟風高校の「プリンドーナツ」が来年1月、東海エリアのイオン・イオンスタイルでの販売が決定した。
同事業は、県内で商業を学ぶ学校を対象に、イオンリテール東海カンパニーや地元の食品メーカーの協力で、マーケティングから商品開発、陳列、販促など一貫して実践的に学び、ビジネススキルや起業家精神を身に付けてもらう取り組みとなる。
これまで、イチビキと「献立いろいろ梅みそ」、敷島製パンと「サンドロールキャラメルソルト」などの商品や、スイーツ、弁当などを商品化し、イオン・イオンスタイルで販売してきた。商品の中には、企画後も好評を受け定番化した商品もある。
今回は、イオンリテール東海カンパニーとフジパンが協力。4月に、フジパンが各学校に対し企業の概要や商品開発について講座を実施した。5月から、新商品の「ドーナツ」をテーマに、各学校で市場調査を行ったうえで、商品のイメージとパッケージについて考案した。
8月9日、名古屋市のウインク愛知でフジパン豊明工場の小関浩嗣営業課課長、イオンリテール東海カンパニーの食品部デイリーフーズGの常田俊之さん、長谷川徹さんに対しプレゼンテーションを行った。生徒たちの投票や講評者による選考で1位を決定した。
今後は、商品販売に向けて販促物の準備や、イオンリテール東海カンパニーの店舗で商品陳列・売場作りを実践的に学ぶ。
1位となった東海樟風高校では、家族連れをターゲットにした3つの商品候補を作りイオンリテールの店舗で100人に対しアンケートを実施。特に女性や子どもに人気だったプリン味のドーナツを提案した。
講評に参加した小関課長は「いろんな角度からのマーケティングで、高校生とは思えないプレゼンだった。これから商品化に向けてしっかりと協力していきたい」と話した。