日清製粉ウェルナ 海外進出に本腰 秋からベトナム家庭用市場に

日清製粉ウェルナは早ゆでパスタなどの製品を携え、アジアや欧米の家庭用食品市場での展開に本腰を入れる。秋からはベトナムでパスタソースや炊き込みご飯を発売。独自製法による早ゆでパスタやプレミックス製品も展開する計画だ。

同社の「マ・マー早ゆで」シリーズは2011年の発売以来、販売規模を拡大させている。「早ゆで結束1.6㎜ 500g」は国内で最も売れているスパゲティ。海外7か国の消費者を対象にした調査では、時短や簡便を実現する商品として高く評価されていることも分かった。

「早ゆでスパゲティ」は日本のマ・マーマカロニのほか、米国のメダリオンフーズやトルコ日清製粉で生産。それぞれの近隣地域の現地需要にも対応する考え。欧州では10月に開催の食品展「シアル パリ2024」に出展する。

ベトナム進出については13年にベトナム日清製粉を、18年にベトナム日清テクノミックを製造拠点として設立。ベトナムでは夫婦共働きが一般的で自炊頻度も高いことから、同社では簡便調理をサポートする加工食品に対する現地の潜在的ニーズが高いと判断した。

現地の嗜好に合わせたレトルトのパスタソースや炊き込みご飯の素を発売し、プレミックス製品や早ゆでスパゲティなども順次投入する。まずはホーチミン市にターゲットを絞り、20万店以上あるとされる小売店にアプローチするほか、SNS広告を使ったプロモーションを展開し、インストアプロモーションとも連動。現地で人気のEC「Shopee」でも商品を販売する。ベトナムでの販売は30年までに100億円を見込んでいる。

岩橋恭彦社長は「ベトナムは人口も約1億人と多く、平均年齢も32歳と若い人が多い国だ。早ゆでパスタは競合製品がないことから、当社が市場を作ることになる」と意欲を語った。