日本アクセス 「不足問題」の解決を提案 乾麺、酒類、惣菜など 神戸で秋季フードコンベンション

日本アクセスは7月25、26の両日、神戸国際展示場で「秋季フードコンベンション 西日本」を開催。今回は各分野において、業界の様々な“不足”問題に対応する提案が目立った。

ドライの重点分野である乾物・乾麺。ひじきや海苔と同様、原料が減少傾向にある切干大根は大根そのものの生育不良に加え、気候変動で天日干しが難しくなっているという現状がある。今回は代替として中国産の有機商品を紹介した。メーカーは「中国産に良いイメージを持たない人もいるが、有機・大容量という点から訴求したい」と話す。

乾麺の中でも手延べそうめんは各産地で生産者が減少し、量の確保が難しくなっている。「『揖保乃糸』の扱い量は卸で一番多い。他産地のメーカーとのつながりも強く、面で展開できる仕組みを持っている」(日本アクセス・乾物乾麺MD部)と強みをアピールする。

酒類は低温流通の“チル酒”の新製品として清酒缶を投入する。清酒業界では大手瓶メーカーの撤退や輸出品の回収不可分の増加などで、瓶が不足している。

今回発売したのは、業界初の要冷蔵の缶酒。180㎖の飲み切りサイズで微発泡、純米吟醸生原酒など3種類を揃える。「瓶のように割れることがなく、軽いので扱いやすい。アウトドアにもぴったりで、日本酒を飲み慣れていない若い世代にも手に取ってもらいたい」(同・酒類MD部)と缶の優位性をアピールする。

食品流通業界で共通の問題が人手不足である。AG研(アクセス業務用市場開発研究会)のブースでは、類似商品の集約や自然解凍品の利用により惣菜売場における在庫管理や工程の簡素化を提案。担当者は「アウトパックできる部分は外に出して、手間をかけられるところはかけて差別化を図る。そういうメリハリが大事」と話す。

なお、今回の展示会には546社(ドライ122社、菓子36社、アイス26社、冷食67社、和日配86社、洋日配・乳製品79社、生鮮デリカ130社)が出展。約7千600人が来場した。

西日本会場だけに設けたフローズンマーケットは300メーカー、1千500の商品を集めて展開。万博を意識した近畿の物産、外食やベーカリーの人気ブランド、個食や大容量など様々なテーマに沿って商材を用意し注目を集めていた。