大手コンビニの第1四半期(3月~5月)業績が出揃った。物価高騰や実質賃金の低下で節約志向が急激に高まる中、各社ともアイス商品やPBで需要喚起を図り善戦した。
セブン‐イレブン・ジャパン(SEJ)は、低価格対応の遅れで減収減益でのスタートとなったものの、「お店で作るスムージー」と焼成パンの注力カテゴリが女性層を開拓し平均日販を押し上げた。
ただ、注力カテゴリが全店導入されていないといったことなどから全店平均日販は67万9000円となり前年同期をやや下回った。
ファミリーマートは増収増益。気温上昇や行楽需要に対応して、既存店日商が33ヵ月連続で前年超えとなり、全店平均日販は前年同期比7000円増の54万8000円を記録した。
定番商品の「ファミチキ」、おむすび、「生しっとりパン」を中心としたパンなどの中食商品やPB「ファミマル」が前年度に引き続き堅調となったほか、「コンビニエンスウェア」の文具やフラッペ・デザートの各種新商品が好調となった。
ローソンは、上場企業として最後の決算で有終の美を飾った。チェーン全店売上高、営業収益(売上高)、親会社の所有者に帰属する四半期利益、全店平均日販が過去最高となった。
事業利益は、広告宣伝費の増加や次世代発注システム「AI.CO」などの導入に伴う費用の増加で前年を下回った。
全店平均日販は前年同期比2万2000円増の55万9000円と大幅に増加し第1四半期で上位3番手から上位2番手に浮上した。
一般的に全店平均日販は、不採算店を閉店すると押し上げられる。
その点、ローソンは国内店舗数を前年同期(1万4611店舗)とほぼ横ばいの1万4608店舗を維持し、カウンターファストフードの新商品「からあげクン 香ばし焦がしチーズ味」や店内コーヒー「MACHI café」のアイスドリンクメニュー、デザートの好調が平均日販の大幅増に寄与した。