「え? もう1回言えってことですか」。首長選に出馬した方の逆質問が話題となっている。業界紙記者のワタシもごくまれに、これに近い対応を受けることがある。言葉数少ない人にはたまに遭遇する。言葉少ないのは、性分もあり悪気のないことが多い。だが、冒頭の逆質問は身構えていることが明白。
▼そんな塩対応にイラッとしたり凹むこともあるが、試練の場と捉えるとよいと思う。限られた時間で、いかに有益なコメントを引き出すかのゲームであると。そのためにわれわれは日々研鑽を積み、時としてその研鑽が奏功して相手が心を開く瞬間を垣間見ることがある。
▼一方で、塩対応に値する記者がいるのも事実。少し調べれば分かるようなことを聞いたり、「意気込みは?」的な雑駁な質問を投げかける者がいる。
▼だが、そんな質問であっても、われわれの業界には親切な回答者が多い。中には質問にはさらりと応え、自社のアピールに話題転換する巧者もいる。お互いが心して臨めば双方に有益な時間になるはずだが、冒頭の逆質問者の想定されるメリットは戦う姿勢のアピールといったところだろう。