葛飾区立小学校教育研究会(葛小教研)給食部合同研究会が6月12日、東京都葛飾区の上平井小学校で開かれた。
今回の研究会のテーマは米粉の学校給食での活用方法で、JA全中と日本米粉協会が共催した。講演は米の生産者である埼玉県熊谷市の長谷川ファームの長谷川音弥社長、米粉などを製造販売するみたけ食品工業の鈴木里沙子企画統括室長、和食料理店「和氣 旬」の店主である料理人の宮原瞬氏が講師に招かれた。
冒頭、上平井小学校の宮沢英輔校長があいさつ。宮沢校長は「葛飾区教育振興基本計画(かつしか教育プラン)には、SDGsの達成、持続可能な葛飾の実現に貢献できるよう、子どもたち一人ひとりの個性や特性を尊重した多様な学びを推進するとある。給食指導もそのうちの一つだ。様々な新しい流れや考えを子どもたちに伝え、生きる力をつけさせることが必要。様々な方々の力を借りながら、認識や知識を子どもたちに還元していきましょう」と呼びかけた。
長谷川氏は米作りの一年を紹介。50 haに及ぶ広大な農地を耕作し、一般家庭向けから業務用まで品質と味の良い米を作ることをモットーとしている。講演ではていねいな土壌づくりに努めていることなどにも触れた。鈴木氏は新規需要米の米粉の特徴から用途、食物アレルギーの児童に対しても用いることができる点を説明。さらに米粉を料理に使うことでサクサクやもちもちとした食感に加え、とろみづけができる特性も解説した。
宮原氏は、米粉の吸水率を生かしたサケと彩り野菜の重ね蒸しを調理。宮原氏は「水分を含んだ時のリゾットのもちもち感がおいしいように、魚の表面に絡めば野菜のうま味も含んで魚の保水性も高くなるだろうと考えた」とポイントを紹介した。