コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングスは、飲料最需要期の夏場に向けて大幅増益を達成した前期(12月期)の勢いを加速させる。
前期事業利益は、20億2500万円。前々期の144億円の損失から165億円の大幅増益を実現した。
今期事業利益は前年比5倍の100億円を計画する。
5月9日、決算説明会に臨んだカリン・ドラガン社長は「2024年は中期経営計画『Vision2028』の初年度であり、中計達成に向け勢いづけるための大変重要な年。第2四半期は最需要期における活動効果の最大化に向けて、これまでの成果を基盤にさらに取り組みを加速させていく」と意欲をのぞかせる。
今期滑り出しの第1四半期の事業利益は16億円。3月の天候不順の影響を受け販売数量が前年並みとなる中、トップライン(売上収益)成長が増益に貢献して事業利益は計画どおりに進捗し「力強い前進」と捉える。
第2四半期以降は「これまで成果を上げてきた施策をさらに高いレベルで実行するとともに、これから予定されている力強いマーケティングプランと収益性改善策により、さらなる成長を目指していく」。
事業利益目標については「達成しうる根拠は十分にある」と自信をのぞかせる。
営業活動は今後、夏場の需要を最大限に獲得すべく、大刷新した「綾鷹」をはじめとする茶系飲料商品や売場拡大施策などに注力していく。
収益性改善の重要施策である価格改定は10月1日出荷分から22年以降6回目の実施を予定。小型ペットボトル(PET)を中心に飲料計141品を一律20円値上げする。
「価格改定は当社の持続的な利益成長を支える基盤になり得ると考えており、これまでと同様、必ず成功させたい」と力を込める。
昨年の価格改定による数量減少が続く中、第2四半期出足となる4月の販売数量は対前年1%のプラスとなった。
「価格改定によりケース当たり納価の改善効果も引き続き出ており売上収益は数量成長を上回り順調に進捗している」と語る。
事業利益目標の達成に向けて、今年1月に刷新した営業体制にも期待を寄せる。
リテールカンパニーとフードサービスカンパニーを新設して、自販機・OTC(手売り)・フードサービスのチャネル間で連携を図りつつ、各チャネル特性にあわせた成長戦略を実行している。
自販機では、優良ロケーションへの自販機設置や戦略的な品揃いを強化。
DX推進策としては日本コカ・コーラの協力のもとコカ・コーラ公式アプリ「Coke ON」の機能拡充や、インバウンド観光客との親和性が高いQRコード決済の拡大などに取り組んでいる。
OTCでは、主力商品の定番売れ場への導入や消費者ニーズに合わせたダブルブランド商品を戦略的に展開。マルチパックや容量単価の高いミニサイズパッケージの展開による収益改善の活動にも力を注ぐ。
フードサービスチャンネルは、人流回復やインバウンド需要の増加により拡大傾向にあり、特に成長が著しいホテル業態や新規業態における新規取引獲得活動を強化している。