日本油脂検査協会は5月28日、令和6年度の第1回評議員会および設立50周年パーティーを都内で開催した。評議員会では、新妻一彦・昭和産業会長に代わり、佐藤達也・J-オイルミルズ社長を評議員会議長に選任した。
同協会は1973年12月、当時の日本油脂協会から分離独立し、財団法人日本油脂検査協会が発足。翌74年に登録格付期間の許可を受け、JAS業務を行うとともに食用植物油に特化した分析機関として業務を担ってきた。
設立当初(75年)に約70万tだった食用植物油脂のJAS格付数量は、2022年には約120万tに拡大。安全・安心な植物油脂の安定供給を支え、わが国の食生活の発展に貢献してきた。
設立50周年パーティーでは中津川研一理事長(昭和女子大学名誉教授)が50周年の歩みを振り返り感謝を述べるとともに、協会の役割であるJAS法に基づく「認証」「検査証明」「指導」「調査研究」の4事業を軸に、「次の50年も公正性・透明性のある事業を遂行していく」と語った。
評議員会議長に就任した佐藤J-オイルミルズ社長は「安全安心な植物油を安定的に届ける責務を果たし、国民生活の向上に貢献していく」と決意を示した。
農林水産省の宮浦浩司大臣官房統括審議官(新事業・食品産業)は「JAS業務を通じて植物油脂の品質向上に尽力をいただき感謝申し上げる。現在、食糧・農業・農村基本法の見直し検討が進められているが、油脂をはじめとする国民生活に欠かせない基礎物品の重要性が高まっており、協会の果たす役割は増している」と語った。
令和4年から2年間、評議員会議長を務めた新妻昭和産業会長は「今年3月に日本オリーブオイル公正取引協議会が設立され、当協会は国際オリーブ協会規格に基づく検査事業がスタートした。設立50周年を迎え、新たな社会貢献につながる事業がスタートしたことは大変心強く、さらなる発展を願っている」と期待を寄せた。