企業の福利厚生に売店ではなくセブン‐イレブンという新発想 50㎡から出店可能で充実の品揃え 最大のウリは「レジ待ち0分」

 セブン‐イレブン・ジャパンは今春、コンパクト店舗の出店を本格的に開始する。
 コンパクト店舗とは、企業ビル内の一室など狭小スペース向けの店舗フォーマットで、最低50㎡の敷地から出店可能としている。

 路面のセブン‐イレブン標準仕様の店舗は敷地が200㎡で、取扱商品数が3000種類となる。
 コンパクト店舗の取扱商品数は1000種類以上で、ATMやセブンカフェを備えることも可能。
 「コンパクトでありながら、充実の品揃え・サービスが展開でき、単なる売店ではなく、セブン‐イレブンの1店舗と捉えていただきたい」(セブン&アイ・ホールディングス)と胸を張る。

 商品は、通常の店舗と同じく配送・納品される。荷受けや陳列のための最低限の人員を必要とするため無人店舗とは異なる。社員食堂に代わる新サービスとして、企業の福利厚生を主眼に置く。
 「コロナ禍を契機としたリモートワークの浸透で、社員食堂が撤退した企業や施設もあると聞く。人流が回復して、福利厚生を見直す企業も多い中で、コンパクト店舗は比較的リーズナブルに出店できる」と説明する。

 決済は、路面店を含めて現在70店舗でテスト展開している「セブンスマホレジ」。
 そのためレジの人員を不要とし、一方で利用者にとっては自身のスマホのみで決済が完了するため「レジ待ち0分」がメリットとなる。

 これには「お昼休みなど貴重な時間をレジ待ちで奪われないようにしたい」との想いが込められている。
 品揃えについては、従業員の呼び出しボタンを設置すれば、無人店では取り扱いできないタバコの販売や公共料金の支払い等も可能となる。

 同社は2022年春にコンパクト店舗のテスト展開を開始し、現在4社に導入されている。

 今後、導入対象はオフィスや工場ほかタワーマンションなどを想定している。出店先の施設・店舗運営者・セブン‐イレブン・ジャパンの3者協力によるフランチャイズ店舗として展開する。

 店舗運営者の代表例に給食委託会社が挙げられる。
 「施設と運営者とセブン‐イレブン・ジャパンの3者がウインウインの関係が構築できるだけでなく、ご利用いただく方の利便性向上につなげたい」と語る。