「ギョーザ」 フライパンへの貼り付き改善 誰でもきれいに焼ける感動体験を 味の素冷凍食品

味の素冷凍食品は主力の「ギョーザ」をフライパンに貼り付きにくく改良し、2月11日から全国発売する。誰でも失敗なく、焼いた時の達成感や感動を体感してもらうことが狙い。今後も“永久改良”を通してさらなる品質向上を目指す。

寺本博之社長は1月31日の発表会で「冷凍餃子がもつ本質的な価値を改めて伝えていくことがメーカーとしての使命」と語る。冷凍食品市場については「冷凍餃子は大きく伸びていて新規参入もありにぎやかだ」としたうえで、懸念点に「冷凍餃子が持つ価値が、価格を重視する傾向に若干寄っている」ことを挙げた。続けて「冷凍餃子が本来もつ価値は、調理時間を短縮することで(子どもと過ごすなどの)時間が増えたり、フライパン調理のひと手間で多くの人が達成感や感動から笑顔になれること」と説明。

改良後の「ギョーザ」(味の素冷凍食品) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
改良後の「ギョーザ」(味の素冷凍食品)

フライパンに貼り付いてしまう要因としては、羽根の素となるでんぷんやタンパク質が、使い込むなどして傷ついたフライパンの鉄と結合することが挙げられる。今回、羽根の素の配合を見直すことで剥離性を改善し、より多くの人が焼き上がりの感動を体感できるようにした。

マーケティング本部国内統括事業部製品戦略部リテールグループの駒木根理花氏によれば、今回の改良は「ギョーザ」12個すべてがフライパンに貼り付いてしまったというX(旧Twitter)での声をきっかけに急遽進められた。原因調査のためXを通じてフライパンの回収を実施したところ、想定を超える3千520本が集まった。

貼りつきが課題となったフライパン - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
貼りつきが課題となったフライパン

今回検証の対象となった509本のうち、1割は12個すべて、5割は1~2個の「ギョーザ」が貼り付く結果となった。12個すべて貼り付いたフライパンで改良後の「ギョーザ」を焼くと、3割近くがすべて綺麗に剥がれた。発表会当日は参加者らが改良品の剥がれやすさを体験した。

駒木根氏は改良を通して「まだまだ誰でも簡単に焼けるというのが完全にはできていないと実感した。より簡単に、失敗なく食卓で感動体験をしてほしい」とし、今後も消費者の声を参考に改良を続ける。

同グループ長の多田裕之介氏は「家族の健康を気遣う、自分の時間が欲しい、内食のレパートリーが少ないなど様々なニーズがあるなか、マンネリ解決策としても冷食が存在感を発揮している。無理なく賢く調理したい人々の心に寄り添いたい」と語った。