平和堂は11月24日、名古屋市南区に「平和堂名古屋元塩店」をグランドオープンした。愛知県内で17店舗目、名古屋市内では2015年以来の5店舗目となる。商圏顧客特性や競合環境を踏まえ、特に青果とデリカの品揃えを強化。単身・小世帯向けの小分け適量サイズも充実し、近隣競合店との差別化を図る。投資金額約6億8千万円(土地除く)。初年度年間売上目標は14億5千万円(直営のみ)。
「平和堂名古屋元塩店」(名古屋市南区元塩4丁目20-1)は、JR笠寺駅の南約1.2km、DCMホールディングスが運営するホームセンター「DCM元塩店」1階にテナントとして入居。
店舗面積約2千㎡、売場面積1千280㎡、営業時間9時30分~21時、駐車場350台・駐輪場170台(施設と供用)、従業員数約70人。
店舗500m商圏内の約8割の世帯が共同住宅に居住。また、1人世帯がそのうちの約40%、年齢別人口で見ても60歳以上が同4割近くを占める。こうした単身・少人数世帯、高齢者世帯を中心に、同社が取り込みを狙う30・40代の子育て世帯のニーズも踏まえた売場づくり、品揃えに力を入れた。
取り扱い商品数は約9千800アイテムで、そのうち食料品が約8千500アイテム、住関品約1千300アイテム。食料品の内訳は、日配品約1千900アイテム、加工食品約5千200アイテム、生鮮・デリカ1千390アイテム。
「特に野菜とデリカに関して、ゾーニングの配置や適量サイズの品揃え強化を図った。野菜をよく買ってもらえる店は、マイストア化しやすい。それと平和堂の強みであるデリカで特徴づけていく」(羽田野文博東海営業部部長)考え。
「平日は少量パックを中心にしていく。デリカの1品単価は200円未満。昼食を500円くらいで賄えるようにする。平均客単価は、平日1千800円、週末2千円超の想定。平和堂の全体平均から見ると低めだが、そのかわり来店頻度を増やしたい」(長屋敦名古屋元塩店店長)。
「5月末に新デリカセンターをリフレッシュ。生産キャパを既存の2.2倍強にアップした。機械も最新のものに切り替え、特に米やバーガーの生地を見直して味が向上している。生産能力を高めながら(今後の店舗展開においてもデリカの)売場面積を広げていく」(羽田野部長)。
中部エリアのドミナント推進 「500億円見えてきた」平松社長
愛知県内で17店舗目となる「名古屋元塩店」をオープンした平和堂。同社は04年にグランドタマコシの10店舗を営業譲受、翌05年にはヤナゲンとヤナゲンストアーの事業譲受で9店舗をグループの傘下に収め、平和堂東海として17店舗でスタート。中部エリアにおける店舗展開の橋頭保とした。
以降、愛知県は今回の「名古屋元塩店」まで12店舗をオープン。一方で2店舗をクローズして現在17店舗。岐阜県は10店舗のスタートから3店舗の閉鎖により7店舗。東海トータルでは24店舗を擁する。
直近では20年の「ららぽーと愛知東郷店」や22年の「ビバホーム一宮店」といった商業施設内やホームセンター併設型の展開で商圏拡大、集客の相乗効果につなげている。今回の「名古屋元塩店」もDCMへのテナント出店だ。
今後、愛知県では名古屋市守山区、日進市、知多市などへの新規出店を予定。尾張地区でのドミナント深耕、さらには三河地区への展開を睨む。
「06年のスタート時、東海エリアの売上規模は200億円。現在は400億円を超えた。まずは500億円を目標としているが、それも見えてきた」(平松正嗣社長)。