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加工食品菓子カルビー、北海道・十勝の畑で「じゃがいも収穫式」 生産者に光明 21年の干ばつと22年の長雨の苦節を乗り越え「久々の豊作」

カルビー、北海道・十勝の畑で「じゃがいも収穫式」 生産者に光明 21年の干ばつと22年の長雨の苦節を乗り越え「久々の豊作」

カルビーグループは11日、じゃがいもの一大生産地である北海道・十勝の畑(帯広市川西町)でメディア向けに「じゃがいも収穫式」を開催し、契約生産者とともに収穫の喜びをアピールした。

じゃがいもの価値発信やじゃがいもの持続可能な生産を考えるきっかけを提供していくのが目的とみられる。

カルビーの「ポテトチップス」や「じゃがりこ」の主原料であるじゃがいもの品種開発や栽培などを手掛けるカルビーポテト社(本社:北海道帯広市)では、フィールドマンと称する同社社員と契約生産者が二人三脚でじゃがいもの生産に取り組んでいる。

収穫式が開催されたのは、帯広市川西農業協同組合(JA帯広かわにし)に所属する生産者(142戸・1043ha)の畑の1つ。

北海道のじゃがいもの収穫時期は7月中旬から10月末まで。JA帯広かわにしでは、この日、収穫の最盛期を迎えた。

収穫したじゃがいもをアピールするカルビーポテト社の田崎一也社長(中央)、カルビーポテト社川西支所の岡村康支所長(右)、JA帯広かわにし加工馬鈴薯生産組合の郷原雅道組合長
収穫したじゃがいもをアピールするカルビーポテト社の田崎一也社長(中央)、カルビーポテト社川西支所の岡村康支所長(右)、JA帯広かわにし加工馬鈴薯生産組合の郷原雅道組合長

冒頭挨拶したカルビーポテト社の田崎一也社長は「今年は久々の豊作の年になりそうだ。JA帯広かわにし様によると収穫は前年比13%増の約4万2700tの見込みとなる」と語る。

“豊作の年”と言い切らなかったのは台風の恐れがあるため。2016年の“ポテチショック”では収穫期、3度の台風に見舞われ収量が一気にダウンした。

気候変動の影響で近年も逆風下にある。

2021年は大干ばつ、22年は長雨の影響で減産。カルビーポテト社も2年連続で10%程度の減収となった。

「1つの株にたくさんのじゃがいもがついているので量的に今年は本当に良い年になっているように思う。おそらく過去7年間で一番の収穫量になりそうだ。生産者もいい顔をされている。困難な中で生産者が頑張って下さったことを消費者にも伝えていきたい」と述べる。

品質については「高温の影響で加工の段階で、ぎゅっと詰まっている部分と水分が多い部分があると思うが、品質が悪いということではなく、たとえ比重が少し足りなくても量があるので十分」と太鼓判を押す。

北海道は今年、7月20日から44日間連続で真夏日を観測するなど異常な高温に見舞われた。高温が続くと干ばつになる可能性が高まる中、適度な降雨や散水が奏功したとみられる。

「生産者も我々も過去経験したことのない暑さだったが、井戸があって水を与えられたところは大豊作になった」という。

持続的な生産に向けて品種改良や機械化、省人化などに取り組む一方、昨今の気候変動を受けて「当たり前に馬鈴薯が目の前にある時代は終わったと思っている」と危機感を募らせる。

このような認識もあり、今後の収穫式では「少し工夫をして生産者のご苦労を消費者にシンプルに伝えられるようにしていきたい。我々は一民間企業だが、食の安全保障ということも小学生にも分かるように伝える方法を探っていきたい」と意欲をのぞかせる。

生産者142戸の代表を務める、JA帯広かわにし加工馬鈴薯生産組合の郷原雅道組合長は「40年以上、カルビーポテト社様とずっと二人三脚で歩み、お互いの生産技術を共有しながらなんとか今年の収穫まで漕ぎづけた。消費者により良いカルビー製品を届けられたら、我々のモチベーションも上がる」と期待を寄せる。

フィールドマンを務めるカルビーポテト社川西支所の岡村康支所長も「川西エリアで生産された原料の多くはカルビー帯広工場でお菓子となって消費者に届けられる。品質の良いじゃがいもを育てて消費者に届けたいという思いで活動している」と語る。

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