アサヒ飲料は、国内初とするCO2を吸収する自販機を、大阪府門真市の三井ショッピングパーク「ららぽーと門真」に初めて設置し、7月6日に報道陣に公開した。23年は実証実験の位置づけで関東・関西などの約30台に設置し検証する。24年から本格展開し、脱炭素につながる資源循環モデルの構築を目指すとともに、全国26万台の自販機に展開していく計画だ。
CO2を吸収する物質(吸収材)は、自然界にあるカルシウム系の鉱物の粉末で、同社が資源循環モデルを構築していく上でのパートナー企業が独自に開発した。
吸収材の自販機への設置は、その粉末を吸収材70%を配合した専用の箱に入れ、その箱を自販機内部の空間に設置するだけなので、基本的に既存自販機に設置できる。
一般的に自販機は1台当たり、年間300kgのCO2を排出しているが、同吸収材1箱の設置で、最大20%のCO2の吸収(スギ約20本分の年間吸収量)を見込んでいる。実証実験では屋内・屋外様々な場所でCO2吸収量や吸収スピードなどを比較・検証する。
吸収材はCO2のみを吸収して飽和するので、まずは月2回、商品補充の際に吸収材を交換する。使用後の吸収材は、各自治体や企業と連携し、工業原料(肥料、建材など)への活用を計画している。すでに活用の実験も一般社団法人が検証しており、CO2を原料とした肥料では、一部植物での生育促進が検証されているほか、吸収材入りコンクリートは、海で藻の着藻率が非常に高い結果があることから、ブルーカーボン(海洋生態系に蓄積された炭素)生態系再生としても期待されている。