当社グループは昨年、「人々のウェルビーイング(幸せ・健康・笑顔)を追求し、持続可能な社会の実現に貢献します」という経営理念を策定した。グループとして目指す成長イメージは、26年度に売上高4千億円、営業利益150億円を達成すること。その先には売上高5千億円、営業利益250億円という目標がある。
中長期の成長に向けた戦略を進める上での社会/事業課題は、ライフスタイルの多様化や少子高齢化による消費人口の減少への対応を着実に実行しなければならない。特に少子高齢化・人口減に対しては海外展開を進める。既存事業の中で成長領域と基盤領域のシナジー効果をあげながら、売上高と利益を拡大する。国内外でのM&Aや事業提携も図ることで長期ビジョンを達成したい。
26年度までには価格転嫁分を含まない形でインオーガニックとオーガニックでそれぞれ400億円、計800億円の売上拡大を図る。基本戦略は「基盤領域の収益力強化」「成長・新規領域の戦略的投資」で、売上高と利益を着実に確保するとともに、DXやESG経営も推進する。
22年度は不透明な状況下ではあったが、結果的には増収増益を達成した。23年度は売上高3千870億円、営業利益125億円、営業利益率3.2%を実現すべく取り組んでいる。中期目標についても営業利益率3.75%、ROE6%以上、ROIC4%以上を管理数値として達成を目指したい。
成長戦略の重点領域についてだが、「冷凍食品事業」はワンプレート商品や冷凍個食パスタなど特徴のある品揃えができているし、良い評価もいただいている。新規顧客獲得も順調で、さらなるブランド力強化や差別化商品の展開を進めることで21年度比売上高60%増を目指す。
「中食事業」はデイリーメーカー事業の規模拡大に努める。CVSのビジネスモデルも、従来の店舗数を増やすアプローチから変化を遂げている。当社では稼ぐ力を再構築し収益基盤を盤石にしたい。21年度比30%増の売上高を掲げている。
「ヘルスケア事業」は機能性表示食品の主軸ブランドを育成し、21年度比で売上高の倍増を目指す。素材の北中米、東アジア、東南アジアへの輸出拡大も図る。
「海外事業」はASEAN、中国、北米を中心に地域とビジネスの拡大を図る。インオーガニック成長を推進し、海外売上高比率を6%台まで拡大したい。
基盤領域の「製粉事業」はコスト競争力の向上と収益基盤の強化や、新需要創造による市場拡大がテーマとなる。米国製粉会社に出資し、事業・戦略パートナーとして運営に参画することも決まった。現状の海外2拠点とのシナジーも発揮したい。「加工食品事業」はプロダクトアウト思考から脱却するとともにブランド価値を向上させる。ECや輸出などチャネル戦略を推進したい。トップラインの上昇を図るとともに安定した収益力を追求し、カテゴリーNo.1のシェアを目指す。