イトーヨーカ堂は、自社運営のアパレル事業を撤退し、食品とドラッグストアの領域に集中するとともに、子ども市場を開拓して利益成長を目指していく。
子ども市場開拓の目玉の1つに「イトーヨーカドーららぽーと横浜店」(神奈川県横浜市)に新たに設置された国内最大級の屋内巨大砂場が挙げられる。
屋内砂場は、「TOYLO PARK(トイロ パーク)」の一角を占め、公園における“三種の神器”とされるブランコ・すべり台・砂場のうち、すべり台と砂場の要素を取り入れて、傾斜の異なる2種類の巨大砂山すべり台を用意している。
イトーヨーカドーは2021年から「TOYLO PARK」を展開。
「TOYLO PARK」は、玩具や文房具、通園・通学用品などのショップエリアにアミューズメント設備を兼ね備え“大人から子どもまで遊べる公園”をコンセプトにしたフロアで「最大の競合は公園」と語るのは、ららぽーと横浜店で4月26日発表した梅津尚宏執行役員ライフスタイル事業部長。
出生数の低下に伴い子ども人口が急激に減少する一方で、体験型の売場と玩具市場が成長している点に勝算を見込む。
ららぽーと横浜店では、これまで手薄だった30、40代のファミリー層の獲得を目的に、ドラッグ関連の品揃えを拡充するとともに、子どもの領域を強化していく。
「子どもの領域は単純な物販だけでは非常に利益性が厳しいが、体験型のサービスを提供することで利益性が大きく変わってくるということが分かり、そのような取り組みを現在進めている。『TOYLO PARK』が今後の重点戦略になる」との見方を示す。
玩具市場の成長については、キッズとアダルトを組み合わせた造語“キッダルト”が市場を支えているとみており、「TOYLO PARK」では大人から子どもまでを対象にした商品・サービスを幅広く取り揃えている。
「昭和駄菓子屋商店街」と称した駄菓子売場では、駄菓子やラムネ・サイダーほか、パーティーなど子ども向けの催しに好適な駄玩具も多数ラインアップしている。
「TOYLO PARK」内には、遊びが学びに変わる次世代型テーマパーク「リトルプラネット」とのコラボ施設もオープン。
ここでは、デジタルボールプール、AR砂遊び、デジタルトランポリンといった全国の「リトルプラネット」で人気の定番アトラクションに加えて、2021年に「グランツリー武蔵小杉」のパークに初登場した「ミニ四駆デジタルサーキット」がパワーアップして登場。
このほか初公開の新作アトラクション2種を含む計11種の“未来のアソビ”を提供している。