「オロナミンCドリンク」想いを届けるワンアクション促進 ひとりひとりの頑張り認め合い日本を「元気ハツラツ!」に 大塚製薬

 大塚製薬は炭酸栄養ドリンク「オロナミンCドリンク」(以下、オロナミンC)の重点施策「One Action(ワンアクション)」を強化していく 。

 近年の急速な環境変化から、その先が見通しにくい社会環境を踏まえて、1965年の発売開始から培われてきた「元気ハツラツ!」のブランド価値を伝えていくのが狙い。

 取材に応じた山野順平ニュートラシューティカルズ事業部オロナミンCプロダクトマーケティングマネージャーは「人とのコミュニケーションが希薄になりつつある近年、生活者の声からも、 “誰かと元気につながりたい”というのは誰しも感じることだと実感し、人と人をつなぐことができる炭酸栄養ドリンクとして昨年4月からワンアクション施策を展開している」と振り返る。

 ワンアクション施策では「オロナミンC」を身近な人に差し入れ、プレゼントとして手渡しする1つの小さなアクションを促進。“自分の頑張りを認めてほしい”という生活者のインサイトが背景にある。

大塚製薬の山野順平ニュートラシューティカルズ事業部オロナミンCプロダクトマーケティングマネージャー - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
大塚製薬の山野順平ニュートラシューティカルズ事業部オロナミンCプロダクトマーケティングマネージャー

 「ひとりひとりの頑張りを認め合い、生き生きと活動できるような空気づくりを『オロナミンC』で後押ししたい。小さなアクションだけど、社会に広がることで、少しでも日本が明るく元気になって欲しい。『オロナミンC』にその役割が担えるかも知れないと思い 、商品にメッセージを添えて差し入れや手渡しできる企画を考えた」と説明する。

 コロナ禍の2020年、エッセンシャルワーカーの1つであるスーパーの従業員に対して店長や責任者から「オロナミンC」を手渡して感謝を伝えるという趣旨でサンプリングを実施したところ「職場の雰囲気が一気に明るくなった」などの声が寄せられ好評を博したことから、ワンアクション施策へと発展させた。

 昨年は、メッセージが書き込めるネックリーフや袋を用意して家族・職場・地域の切り口でサンプリングを実施しワンアクションを推進。

「オロナミンCドリンク」の重点施策「One Action(ワンアクション)」のロゴ - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「オロナミンCドリンク」の重点施策「One Action(ワンアクション)」のロゴ

 家族に向けては、年間を通じた家族の歳時に店頭活動を強化した。モニターキャンペーンも実施したところ「日頃の感謝の気持ちを伝えたり喧嘩した後の仲直りなどに自発的にいろいろな使われ方がされていたことがわかった。この商品には、そんな力が在るということを改めて知る機会になった」。
 
 職場・地域の切り口でも複数の事例が生まれる中、大分県では駅員が乗客に「オロナミンC」を手渡して日頃の利用の感謝を伝えたことがニュースになった。

 今年はワンアクション施策に磨きをかけていくとともに、その延長線上で子どもに記憶に残るブランドの原体験を提供していく。

 親子に向けては、コロナ禍で控えられていた仮面ライダーショーの実現を期待し、頑張る子どもを応援したい」と想いを寄せる。

アレンジレシピの一例「オロナミンミルク」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
アレンジレシピの一例「オロナミンミルク」

 需要を喚起する提案としては、アレンジレシピや風呂上がりの飲用シーンを訴求していく。

 アレンジレシピは1965年の発売当時から訴求しているが、近年のおうち時間の増加によるニーズの高まりや温浴施設での自然発生的な話題増を受けて提案を強化していく。

 「Twitterでも定期的に発信し、その反響も大きくなっている。昔から知っている方にとっては懐かしく、若い方にとっては新しい発見になるという二軸で響いているとみている」とし、シーンとしては、風呂上りでの飲用シーンの訴求を強化していく。

 1 日に必要なビタミンC、B2、B6をはじめ、アミノ酸やハチミツが入っている製品価値も「元気ハツラツ!5つの秘密!」として改めて伝えていく。
 「ビタミンCがレモン11個分入っていたり、着色料や保存料不使用など家族みんなが美味しく安心して飲んでいただけることをお伝えしたい」と述べる。

 コミュニケーション活動としては新CMを放映している。

 2022年販売数量は前年比2%増の962万ケースとなった。11月1日に実施した価格改定前は過去最高の水準で好調に推移していた。
 「11月以降ブレーキがかかったものの19年と同等レベルにまで戻ってきている。飲用層が広がり、特に若年層や主婦層に増加がみられる」と総括する。
 引き続き大きな伸びをみせているのはケース販売で、導入店舗数が広がり中でも30本入りは1-11月、前年同期比2倍を記録した。

「オロナミンCドリンク」の易開封陳列ケース - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「オロナミンCドリンク」の易開封陳列ケース

 なお、「オロナミンC」では昨年、段ボールの仕様変更を行い環境負荷低減と開けやすさへの改良を同時に実現した。

 「開封までの手順を7回から2回に減らしたことで、これまで約10秒要していたのが3秒に時間短縮できた。開封後のごみの数(ピース数)の削減もでき、片付け作業が簡素化された。段ボールの軽量化も実現し、流通さまから高い評価をいただいた。」という。

 この取り組みは、2022日本パッケージングコンテストでアクセシブルデザイン包装賞を受賞した。