トップ目指し競争力強化 選択と集中進める 日清製粉グループ本社が新中計

日清製粉グループ本社(瀧原賢二社長)は11月22日、帝国ホテルで秋季食糧記者懇談会を開催した。当日は業界紙9社が出席、同社からは瀧原社長、増島直人専務、グループの事業会社からは日清製粉・山田貴夫社長、日清製粉デリカフロンティア・岩崎浩一社長、日清製粉ウェルナ・小池祐司社長、オリエンタル酵母工業・中川真佐志社長が出席した。

瀧原社長は、「日清製粉グループ中期経営計画2026」の3つの基本方針(事業ポートフォリオの再構築によるグループ成長力の促進、ステークホルダーとの関係に対する考え方を明確にした経営推進、ESGを経営方針に取り込み、社会の動きに合わせて実行)を説明。

事業競争力の強化戦略については「一定の事業領域においてトップか、トップになりうる事業を基準に事業ポートフォリオの選択と集中を推進する」(瀧原社長)とした。

特に国内製粉、加工食品、酵母事業のコアビジネスでは、熊本製粉のPMI推進、加工食品は国内外での最適生産体制の見直しと「日清製粉ウェルナブランド」の育成・浸透、酵母事業でも生産体制の整備とコスト削減を推進しながら海外製品に対する競争力を高める。

現地完結型海外事業の成長戦略では、製粉で収益の維持とともにコスト削減に向けた投資、新たな事業領域への展開も検討を進め、加工食品は既存事業における現地販売を進めながら次の投資を検討。インドイースト事業は中計期間中でのフル稼働を目指す。

中食・惣菜事業は、「国内食品業界における数少ない成長マーケット」と位置付け、日清製粉デリカフロンティアを中心にコスト競争力の確保、製粉、加工食品事業との連携によって小麦粉、ミックス、パスタをはじめとする食に関する開発力でグループトータルでの売上拡大を目指す。

瀧原社長は、「当社はどんな難局も乗り越えられる有形無形の企業体力を有している。グループの先頭に立って、この中計を推進していく」と述べるとともに、「全体最適を推進するグループ本社と事業会社の位置付け、グループが目指していく方向を明確にし、全社一体となり取り組んでいく」と力強く抱負を述べた。