太田油脂はこのほど、アップサイクル新素材「アーモンドミール」を開発した。同社の創業120周年を機に環境配慮と健康機能性をあわせもった食品素材として、実用化に向けた動きを進める。今後はオイルだけでなく、シードパウダーやミール素材のサプライヤーとして利用提案を進める。
「アーモンドミール」はアーモンドの種子から搾油した搾りかすをパウダー化した素材で、搾油したことによりカロリーは大きく減り、栄養素は搾る前のアーモンド種子よりも凝縮されているのが特徴。分析の結果、特にたんぱく質と食物繊維がアーモンド種子よりも2倍程度含有量が高められていることを確認している。
同社は日本で初めてえごまオイルを食用化した企業。30年にわたりオメガ3脂肪酸の普及活動を推進してきた。「何でも搾る」をコンセプトに、あらゆる種子の搾油条件を見つけ出し、効率的に油脂を取り出す技術力を強みとしている。
同社では社内で実施した簡易試験で「アーモンドミール」の健康機能性を確認。2週間の継続摂取の前後を評価したところ、免疫、腸内環境、たんぱく質の充足度で有意な改善傾向がみられ、特に男性、年齢の低い層、もともとの数値が低い人での変化が顕著だったという。機能性を付与した菓子や食品への利用を想定している。
13日に都内で開かれた「アップサイクル発表会」では、医薬基盤・健康・栄養研究所の國澤純氏と共同で研究を進めることも報告した。