納豆 ひきわりを販売強化 品揃え拡充で増える選択肢

ひきわり納豆は大手メディアで健康効果が喧伝されてから需要が旺盛となった。近年は手巻き寿司用途が減少し、ご飯のおかずの一品として利用する人が増加。記念日や季節のイベント時に使う特別な食品ではなく日常食となったことで販売個数が増加している。

納豆市場は21年春以降、巣ごもり需要の反動減が見られ、今年ここまでも前年実績との単純比較ではやや苦戦している。その中で需要喚起策として業界関係者が期待しているのは、ひきわりの品揃え拡充だ。メーカーは魅力的な商品を売場提案し、続々と採用が決まっている。

業界トップのタカノフーズは「北海道産ユキホマレ大豆ひきわり」を新たに発売した。穏やかな味わいの納豆に調和する淡口醤油だしたれとキリッとした辛さの和からしを添付し、素材のおいしさを引き出した。

同社はこれまで「北海道ひきわり」を発売してきたが、競合他社の国産ひきわりとさらに差別化を図るため、今回産地および品種指定の商品を開発した。伸長中のカテゴリーにおいて既存品より単価の高い商品を提案し、売場の単価と売上のアップに貢献する。

業界3位のあづま食品は「国産ひきわりカップ3」を西日本だけでなく、東日本でも販売開始した。個食に便利なカップタイプで、深さがある容器を採用し、かき混ぜやすくこぼれにくい。食べやすいので幼児や高齢者にも向いており、パッケージでも幼児食での利用を促している。

業界4位のヤマダフーズは東北限定販売だった「ぎばさたれ国産ひきわり納豆」を関東でも発売開始した。秋田県産大豆を使用し、同じく同県で古くから親しまれている海藻のぎばさを使用したたれを添付。栄養たっぷりのぎばさを使うことで、健康価値をさらに高めた商品に仕上げた。