コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングスは、2022年通期の調達コスト増の見込みを5月発表時の113億円から30億円程度上乗せする。
原材料資材価格の高騰と円安の進行が、通期業績計画を発表した5月時点の想定を大きく上回ったことが要因。
カリン・ドラガン社長は12日の決算説明会で下期(12月期)の見通しについて「足元、高騰したコモデティ価格と円安の影響がさらに大きくなってきており、事業環境はさらに厳しくなることが予想される。インフレによる家計や消費者マインドへの影響が顕在化するリスクについても注視が必要」との見方を示す。
コモデティとは、商品先物市場で取引されている原油などのエネルギーや金属、穀物などを意味し、飲料ではペットボトル(PET)やアルミなどがこれに当てはまる。
「コモデティ価格は当初の想定を大きく上回る水準で推移している。ヘッジなども活用しながら影響の緩和に努めているが、PETレジンなどの価格が想定以上に推移し影響が避けられない」と述べる。
コモデティはドル建てで取引きされるため、価格高騰に円安が追い討ちをかけている。
「為替は現在、多少の落ち着きをみせているが、当初の想定よりも円安が進行して原材料などのコストアップにつながっている。これにより5月に発表した113億円の通期調達コスト増に対して30億円程度のコスト増加を見込んでいる」と説明する。
インフレによる家計と消費者マインドへの悪影響も懸念材料に挙げる。
「新型コロナウイルス感染症の再拡大による人出への影響やインフレからくる消費者マインドの変化が今後の飲料事業に影響を与えるリスクがある。特に10月には小型パッケージの価格改定を控えていることから、これらの不確定要素がどのように影響するか注視していかないといけない」と語る。
通期事業利益目標は5月に発表された146億円の損失を据え置く。