14.6 C
Tokyo
13.5 C
Osaka
2025 / 12 / 02 火曜日
ログイン
English
加工食品健康・機能性食品“食と医の間”に照準 キリンの乳酸菌ブランド「イミューズ」
2025台湾食品調達商談会 in Osaka by 台湾貿易センター

“食と医の間”に照準 キリンの乳酸菌ブランド「イミューズ」

キリングループは、乳酸菌の製造を内製化するなどして食と医薬品の中間領域にあたるヘルスサイエンス事業を加速させる。

その中核となるのは17年9月に立ち上げた乳酸菌ブランド「iMUSE(イミューズ)」。プラズマ乳酸菌を配合した「イミューズ」の飲料やヨーグルトなどからなる同事業の売上げは昨年55億円に上り、これを21年に150億円、27年に230億円へと引き上げていく。

独自乳酸菌の自社工場稼働

24日都内で発表したキリンホールディングスの佐野環ヘルスサイエンス事業部長は、27年の青写真について「やはり形のある商品がメーンになる。現在は飲料がわれわれの強みで、飲料の売上比率が高いのだが、今後はお客さまのお買い求めしやすい場所でお届けする義務がある」と述べ、既に展開しているECや調剤薬局へのアプローチも強めていく考えを示した。

キリンHD佐野環ヘルスサイエンス事業部長
キリンHD佐野環ヘルスサイエンス事業部長

今回、商品ラインアップを拡充し、新たに乳酸菌製造工場を稼働させた。商品は、ヤクルトヘルスフーズから譲受したKW乳酸菌配合のサプリメント「Noale(ノアレ)」を4月1日から主にオンラインショップで販売。小売向けには、カンロの「ピュレグミ」とコラボした「ピュレサプリグミiMUSEプラズマ乳酸菌」を2日から発売している。

自社工場は約20億円を投じ「iMUSEヘルスサイエンスファクトリー」の名称で小岩井乳業東京工場内に新設。25日に稼働開始し、ここでプラズマ乳酸菌やKW乳酸菌を製造する。初年度製造能力は約10tを見込み、この量は21年目標の150億円の売上規模を賄える量だという。

同社の乳酸菌は既に自己認証によるGRAS(一般に安全と認められる物質)としてのステータスを確立。素材の外販にあたって「同じ志を持つパートナーであれば自由にブランドを利用していただきたいと思っている」と協業の呼びかけには柔軟に応じる考えだ。

プラズマ乳酸菌は、ウィルス感染防御の司令塔であるpDC(プラズマサイトイド樹状細胞)に直接働きかけ活性化させられるのが最大の特徴。一方、KW乳酸機はアレルギー炎症の緩和する機能が報告されている。

東南アジア、北米を中心に海外市場も狙う。感染症にかかわる問題が顕在化する東南アジアには6月に研究拠点を開設予定。健康意識の高い消費者が多い北米でも「『イミューズ』に対する需要は少なくないと考える」と意欲をみせる。

関連記事

インタビュー特集

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点