ワインの「プレミアマイズ」による市場魅力化に取り組むメルシャンでは、中高価格帯ワインの売上を35年までに25年比2倍とすることを目指す。
大塚正光社長=写真㊨=が2月17日の事業戦略発表会で会見。就任からの2年間を振り返り「以前はワインを飲む方のみをターゲットに設定していたが、私が社長になってから一般のお客様へのアプローチを見直した。お客様の価値観やライフスタイルを分析し、ターゲットを『自分らしさ層』『こだわり層』『健康志向層』『やりくり層』と4セグメントに分けて提案を行ってきた」と説明。
とりわけチリNo.1ワイナリーのコンチャ・イ・トロ社「カッシェロ・デル・ディアブロ」の販売は3年で6割増と躍進し、こだわり層の獲得につながっていることを強調した。
17年には市場の3割程度だったフルボトル1000円以上の中高価格ワインは、昨年には4割超に拡大。これを倍増させるため、日本ワイン「シャトー・メルシャン」では、ショップやワイナリーでの体験価値向上で顧客接点を拡大させる。
また高価格帯の「ロバート・モンダヴィ」からは、世界に先駆けた新ブランド「同 カリフォルニア」を発売。ポートフォリオの拡大を図る。
さらにボトル缶や紙パックなどの「イノベーション開発」を強化。
「ワインを連れて出かけよう」をコンセプトに昨年8月に500㎖紙パックで発売した「フルーツスキップ」からは、さらに小型の250㎖サイズを発売。顧客の選択肢を広げる。
またボトル缶の「メルシャン・ワインズ サニーサイド オーガニックスパークリング」 はデザインを刷新するとともに、「レッド」を新発売。女性の一人飲みにも手ごろなサイズのスパークリングで「ちょっとした非日常感」を楽しめる。
「飲まれ方の変化で、ワインは特別な日だけのものではなくなった。ボトル缶のワインの販売金額は21年比で約1.5倍。若年層や忙しい女性が、平日でもこのサイズなら飲めるということで入ってきた」(マーケティング部長 神藤亜矢氏=同㊧)。
新規ユーザーの獲得により、こうしたイノベーション開発商品の売上を35年までに1.7倍とする計画だ。
グローバル市場拡大へ 国際認証取得も
またグローバル市場の拡大へ、「シャトー・メルシャン」の輸出額を35年までに5倍に引き上げることを目指す。同ブランドに加え、新たな国内製造ワインの輸出にも年内に挑戦する。
同社では今年から「自然のめぐみを、幸せにかえてゆく。」との新企業パーパスを設定。
「キリングループで唯一農業をやっているのがメルシャン」(大塚社長)というポジションを生かし、地球に対してポジティブなインパクトをもたらす事業経営に取り組む。
ネイチャー・ポジティブ経営を進める枠組みとして、国際認証「B Corp」を数年以内に取得する方針。これに向けて、グローバル・パートナーと輸送手段・容器包装の取り組みを推進。温暖化ガス排出量は、30年までに19年比30%削減を目指す。グローバル市場での支持獲得に向けた武器としたい考えだ。

